散歩の八百三十七話 王家主催の昼食会
そして、話はこのくらいにして王家主催の昼食会に参加することになった。
ちなみに、一週間後に各貴族を集めての正式な報告の謁見が開かれるという。
応接室から食堂に移動すると、お腹がふっくらとしてきた王太子妃様とジェフちゃんの姿がありました。
とととと。
「スーおねーちゃん! おかえりー!」
「わっと。ふふ、ジェフちゃんただいま」
ジェフちゃんは、大好きなスーにニコリとしながら抱きついていますね。
ニコニコが止まらないジェフちゃんは、そのままスーの手を引いて王太子妃様のところに連れていきました。
「お義姉様、ただいま戻りました。お体のお加減は如何でしょうか?」
「スー、おかえりなさい。こうして、無事に何事もありませんわ。最近は、ジェフもお兄ちゃんになると張り切ってお手伝いをしてくれるのですよ」
そういえば、シロもフランとかが仲間になったことでお姉さんっぽくなったもんね。
ジェフちゃんも、赤ちゃんに会えるのがとても楽しみなんだ。
こうして、積極的に行動するのはとてもいいことだと思うよ。
それぞれが席に座り、和やかな昼食会が始まりました。
「帝国でもいっぱいお手伝いをしたんだよ! シロの描いた絵が、美術館に飾られるんだって」
「それは凄いのう。シロの絵の実力が認められた証拠じゃ」
シロたちは、王妃様や王太子妃様に、帝国で何があったかを身振り手振りを交えて報告していた。
王妃様曰く、下手な報告書よりもこうして話を聞く方がよほど分かりやすいという。
「後ね、パーティーに過激派っていう太った人が来たんだけど、怪物にならずにしおしおになっちゃったんだよ」
「不摂生をしたツケが回ってきたのじゃ。自滅をするとは、奴ららしい結果じゃ」
シロが皇帝陛下の誕生日パーティーの一幕を王妃様に説明していたけど、この世界の悪人は不摂生をしている人が多すぎる気がするよ。
自らを鍛えることなく、自分が楽して勝ちたいという考えがあるからでしょうね。
そして、陛下はあることを伝えてきた。
「暫くは帰国報告や来客対応なので忙しいだろう。ジェフの勉強は、帰国報告が終わってからでよいぞ」
てっきり明日からジェフちゃんへの教師役復活だと思ったけど、陛下が配慮してくれたみたいだ。
スーの実家に挨拶に行かないといけないし、他にもお土産を渡す人もいます。
逆に、一週間で挨拶まわりが終わるかちょっと不安です。
挨拶まわりはスーがやってくれるそうなので、仮に来週から教師役が復活しても問題ないそうです。
こうして、僕たちはワイワイとしながら色々な話をしました。




