散歩の八百三十四話 王都に向けて再出発です
こうして無事に数日間の休憩を取った僕たちは、再び王都に向けて出発をします。
東の辺境伯様に、お世話になった挨拶をします。
「本当に色々とお世話になりました。感謝申し上げます」
「いやいや、我々の方が世話になった。特に、奉仕活動では多くの若者を指導したという。そういう意味でも、本当に有り難い」
出発する為に屋敷の玄関に移動し、スーは見送りに来てくれた辺境伯様に挨拶をします。
孤児院の子どもたちもとてもやる気だったし、サマンサさんたちもきっと料理が上手になるはずです。
そして、先代様たちとも握手を交わしました。
「今年の花見祭りは大盛況だったのう。シュンが考案した料理は、来年も採用させて貰うぞ」
僕というか、ホルンが作っていたまんまる焼きが大盛況だった気がします。
こちらも何人かの子どもが作れるようになったし、きっと大丈夫ですね。
そして、僕たちは馬車に乗り込みました。
「「「いってきまーす!」」」
「ああ、気をつけて行っておいで」
シロたちの元気な声に、先代様はニコリとしながら声をかけてくれました。
そして馬車が屋敷の門のところに差し掛かると、今度は冒険者の皆さんが見送りに来てくれました。
「「「じゃーねー!」」」
「気をつけて行ってこいよ」
「色々とありがとうね」
シロたちと冒険者は、お互いに姿が見えなくなるまで手を振っていました。
更に、町を出るまで多くの人に声をかけてもらいました。
町全体で、僕たちを見送っているみたいですね。
こうして、僕たちを乗せた馬車は東の辺境伯領を出発しました。
「屋敷のみんなは、元気でやっているかな?」
「「「ガイちゃんとブレアちゃんに会いたいなー!」」」
シロたちは、屋敷に残してきた赤ちゃん二人に会いたがっていますね。
二ヶ月は会っていないけど、赤ちゃんだからあっという間に大きくなっていそうだね。
赤ちゃんの子育てをベリアさんに任せっきりだし、僕たちも帰ったら面倒をみないといけないね。
「王都に着いても、やることはたくさんあるわ。ジェフちゃんにも、お土産を渡さないとね」
スーの言う通り、王都に帰ったら謁見が待っている。
そして、お世話になった多くの人にお土産を渡さないとならない。
暫くは、冒険者活動をする暇もないくらい忙しいかもね。
こうして、みんなでワイワイと話しながら馬車は進んで行きました。
思い出に残ることも、たくさんできましたね。




