散歩の八百三十三話 別のことをしてみよう
今日も奉仕活動を行うのだけど、たまには別のことをやってみようということになりました。
なので、僕が治療班にいき、スーとノア君が炊き出し班、そしてジョディーさんが遊撃班になります。
シロとフランも、料理ができない訳じゃないから今度どこかで炊き出し班をやってもらいたいなあ。
「そういえば、あんちゃんは回復魔法も使えるんだよな。すっかり忘れていたぞ」
今日もディアナさんは孤児院の子どもに回復魔法の指導をするみたいだけど、すっかり指導役が板についていた。
これはこれで、とても良いことですね。
僕も、ホルンとヴィヴィの指導をしながら治療をしていきます。
トントントントン。
「スー、料理が上手くなっているなあ。娘とは全然違うぞ」
「そ、そうですか? たまに料理を作ったりしている程度ですよ」
「「「ぐぬぬ……」」」
実行委員長の奥さんは、野菜を切っているスーのことを褒めていました。
お世辞もあるかと思うけど、確かにスーの料理の腕は上がっていた。
そんな二人のやり取りを見て、サマンサさんたちは少し悔しがっていました。
ちなみに、サマンサさんたちは息抜きのために交代で遊撃班の手伝いをする予定です。
そして、ノア君への料理指導はアオが行っていました。
ジョディーさんも、馬とともに生き生きとしながら遊撃班を頑張っていました。
当分は、問題なさそうですね。
そして、僕の方で別の意味で問題が発生していました。
「おお、今日はあんちゃんが治療なんだな」
「あんちゃんは料理以外もできるんだな」
「器用にやんでもこなすんだな」
花見祭りで屋台をやっていた影響もあり、僕のことを料理人だと思っている人がたくさんいました。
ここ二日間も、ひたすら料理を作っていたからなあ。
逆に、スーが料理を作っていてビックリしている人もいます。
まあ、こういう日があってもいいですね。
そして、この人もある意味生き返っていました。
「ヒヒーン!」
「おっ、こいつね。さっさとしょっ引くよ」
今はサマンサさんが遊撃班らしく、うちの馬と連携を取りながら列に並んでいる犯罪者を捕まえていました。
料理から解放された反動からか、かなりやる気になっています。
他の二人も、交代しながら遊撃班を行います。
自分がやりやすい仕事って、どうしてもあるから仕方ないよね。




