散歩の八百三十二話 料理の出来はどうかな?
午後も、サマンサさんたちは頑張って野菜炒めを作っていきます。
時々僕やスラちゃんが味見をして、改善点をアドバイスしていきます。
すると、段々と火加減と味も良くなっていきました。
もう少し頑張れば、実行委員長の奥さんにも食べさせることができるね。
シュイン、ぴかー。
「おっ、今のは良い感じだったぞ。その調子だな」
「はい!」
治療班の方も、孤児院の子どもたちが段々とコツを掴んできました。
ディアナさんが子どもたちを褒める回数も増えてきたし、こちらもいい感じです。
もしかしたら、昼食時にシロと孤児院の子どもが魔力循環をしたのが良い方向に向かっているのかもしれません。
魔力制御は常に訓練をしないと向上しないから、頑張って覚えて欲しいですね。
「じゃあ、そろそろ本番といきましょう」
「「「はい!」」」
そして、予定よりも少し早いけど、サマンサさんたちは実行委員長の奥さんに食べてもらうための野菜炒めを作り始めました。
三人とも、一生懸命に料理をしていますね。
最初の時と比較し、手際良くできています。
「それじゃあ、頂こうかしら」
「「「ごくり……」」」
出来上がった野菜炒めが盛り付けられているお皿が、実行委員長の奥さんの前に並べられました。
そして、実行委員長の奥さんが一口ずつ口にするのをサマンサさんたち三人はゴクリと固唾を飲みながら見守っていました。
「まあ、及第点ってところかしらね。ギリギリ合格ね」
「「「はふぅ……」」」
あらら、実行委員長の奥さんがウインクしながら話をしたら、サマンサさんたち三人はへなへなと座り込んじゃったよ。
きっと、作った料理の合格を貰って気が抜けちゃったんだね。
そして、先代奥様も三人の作った料理を食べていました。
「うん、まだ改善点はあるけど、改善点があるということはいいことなのよ。これからも、しっかりと花嫁修業を頑張らないとね」
「「「はっ、はい!」」」
先代奥様に褒められるとは思っていなかったのか、サマンサさんたち三人はビックリした表情をしていました。
いずれにせよ、まだまだこれがスタートだからね。
こうして、今日の奉仕活動も順調に終了しました。
そして、まさかの明日も奉仕活動をすることになったけど、明後日王都に向けて出発するそうです。
治療班も遊撃班も、明日も頑張って欲しいですね。




