散歩の八百二十六話 明日も奉仕活動をすることに
そして午後も奉仕活動を行ったのだけど、料理教室も継続して行われることになった。
でも、ひたすら野菜とお肉を切っていたので、サマンサさんたち三人の包丁さばきはかなり良くなってきた。
「ようやく半人前って評価だね。でも、これじゃあ嫁入りなんて夢のまた夢たね」
実行委員長の奥さんが三人を見てそう評価しているけど、実際にまだ焼くことや煮ることをしていない。
でも、流石に食材を無駄にするわけにもいかないから、それはまたの機会にしてもらいます。
そして、治療班にいる二人の孤児院の子も魔力が尽きてしまったので、休憩しています。
まだ魔力制御が上手ではないので、必要以上に魔力を消費しちゃうのでしょう。
ともあれ、今日の奉仕活動もあと少しで終わりです。
すると、実行委員長の奥さんがあることを言ってきました。
「そうそう、明日も奉仕活動をするって領主様から連絡があったよ。だから、あんたたちも引き続き料理教室ね」
「「「えっ……」」」
今日一日ひたすら野菜を切っていた三人は、絶望的な表情で実行委員長の奥さんを見ていました。
うん、自分の将来のためにも、ここは頑張らないといけませんね。
ということで、僕たちの明日の予定も無事に決まりました。
後片付けをして、僕たちは東の辺境伯家の屋敷に戻りました。
「すまんな、連日の奉仕活動になってしまって。随分とお主らの奉仕活動が評判良いのでな」
屋敷に戻ると、先代様が申し訳なさそうに言ってきたけど、方針自体は全く問題ありません。
うちの馬とかもシロたちと一緒に犯罪者を捕まえていいストレス発散になっているし、何よりも治安維持の効果があります。
いずれにせよ、同行している兵などの休憩もしないといけないので、明日の奉仕作業は全然問題ありません。
問題あるとすると、やっぱり料理教室になっている三人がどれだけ持つかでしょう。
ちなみに、明日は先代の奥様が一緒についてくれることになりました。
「あと、孤児院の子どもがもう何人か増えるそうだ。スーの治療の教え方もとても良かったと聞いている」
「そう言って頂き、ありがとうございます。明日も頑張って教えます」
「「がんばるー」」
同じく治療班のホルンとヴィヴィも、スーと一緒になって先代様にやる気をみせていた。
いずれにせよ、あと数日で東の辺境伯領を出発するし、今のうちにできる事をしないとね。




