散歩の八百二十五話 奉仕活動を行うことに
東の辺境伯家に到着した翌日、僕たちは一日のんびりする予定でした。
しかし、一晩寝てすっかり元気になったシロたちが遊びたいと言い出したのです。
だけど、元々予定していた花見祭りのお手伝い以外の冒険者活動は禁止されています。
無事に王都に帰るまでが、帝国訪問です。
そんな中、朝食の際に東の辺境伯様があることを提案してきました。
「陛下に確認したところ、奉仕活動は行っても良いという提案がありました。王家としても、住民のためになるような活動は積極的に行っても良いという方針なのでしょう」
「「「やったー!」」」
東の辺境伯様がニコニコしながらいうと、シロたちは飛び上がって喜んでいました。
スーが念の為に陛下に通信用魔導具で確認したところ、やはり奉仕活動ならやってもいいという返答があったそうです。
ということで、これから教会に奉仕活動をすると伝えた上で御用商会に色々な準備をするように連絡するそうです。
その間、僕たちも着替えたりして準備を進めましょう。
「皆さま、当教会へようこそいらっしゃいました」
ある程度の準備が出来たというので、僕たちは馬車に乗って教会に向かいました。
司祭様がで迎えてくれたけど、そういえば教会に来るのも一年前に無料治療して以来だなあ。
人神教の幹部が呼び出した悪魔が大暴れしたけど、幸いにして修繕は上手くいったみたいですね。
「急なご依頼になり、本当に申し訳ありません」
「いえいえ、こちらこそ王女様に起こし頂けるなんて感無量です」
スーが司祭様に急な訪問になったことを詫びていたけど、その司祭様は悪魔呼び出し事件を受けて王都からやってきた暫定司祭様から今年になって正式に赴任した人だそうです。
なので、スーがこの教会で無料治療したのは知らない人ですね。
後ほど助っ人がやってくるそうなので、今のうちに炊出しの仕込みだけはやっておきましょう。
僕とアオは、仕込みの準備をしているところに向かいました。
では、始めましょう。
僕とアオは、包丁を持ちながら魔力を溜め始めました。
シュイン、ストトトトトン!
「なっ、えっ?」
「は、速すぎて見えない……」
僕とアオが高速料理を始めると、野菜を持ってきてくれたシスターが思わずぽかーんとしちゃいました。
ちなみに、魔法で野菜を切るよりも高速料理の方が結果的に早く料理ができることが分かりました。
取り敢えず、野菜と肉を切って風魔法を使った圧力鍋もどきを使えばあっという間に準備はできます。
さてさて、どんどんと野菜と肉を切っていきましょう。




