散歩の八百二十四話 東の辺境伯領に入りました
こうして帝国皇都を出発した僕たちは、順調に旅を続けました。
道中は行きにあったような過激派の襲撃も全くなく、本当に平和そのものでした。
どうやら、過激派の領地は全て調査が入っているらしく、もはや僕たちへの襲撃どころではなかったようです。
それに、例の人神教の謎の執事も既に過激派を見切っていたみたいだし、もう帝国内にいる過激派は衰退の一途をたどって行くでしょう。
そして、本当に順調に王国と帝国の国境までやって来る事が出来ました。
「マグカフ様、国境までついて来て頂き本当に感謝申し上げます」
「私こそ、皆さまと行動を共にすることができ、非常に大きな財産となりました。気を付けて王都までお帰り下さいませ」
帝国軍は国境の町までしか来れないので、ここでお別れです。
事務官のマグカフさんとも、何だか長い間一緒にいた気がします。
スーとマグカフさんががっちりと握手をし、僕たちとも握手をしてくれました。
そして、いよいよ国境を渡って東の辺境伯領に入ります。
こうして王国に入ると、何だかホッとするものがありますね。
そのまま僕たちは、東の辺境伯領兵の護衛を受けながら領主の屋敷に向かいました。
「わあ、すっかり葉っぱになっちゃったね」
「「「本当だ!」」」
途中で花見祭りの会場の側を通ったけど、すっかり葉桜みたいな様子になっていた。
季節の移り変わりを間近で接し、シロたちも馬車の窓から食い入るように会場を見ていました。
花が満開だった会場には、今では遊んでいる人や運動している人が見られますね。
そして、無事に東の辺境伯家の屋敷に到着しました。
僕たちは、直ぐに応接室に案内されました。
「「「ただいまー!」」」
「おお、お帰り。帝国では随分と活躍したと、王国でも噂になっているぞ」
シロたちが元気よく挨拶をすると、先代様がニンマリとしながら返事をしました。
どうやら、僕たちが帝国で活躍したことを色々と知っているみたいですね。
「息子は所用で席を外しておるが、夕食の時には顔を出すだろう。それまで、ゆっくりと休むが良い」
ということで、僕たちは東の辺境伯家が用意した部屋に行って少し休むことになりました。
数日間休養を取って、東の辺境伯領から王都に向けて再出発する予定です。
屋敷に残っている人たちは元気にやっているかなと思いながら、僕は着替えて少しベッドに横になりました。




