散歩の八百二十一話 今日の成果は?
今日は奉仕活動に参加している人も多いし、並んでいる町の人も若干余裕があった。
なので、ある程度余裕が出たら令嬢や子どもたちにも積極的に奉仕活動に参加してもらった。
「ヒヒーン!」
「ふふ、私から逃げられると思って」
「わあ、虎獣人のお姉ちゃんすごーい!」
うん、いつの間にかノア君と一緒にうちの馬に乗っている令嬢がいて、見つけ出した不審者を華麗に捕まえていた。
あの人は楽しそうだから、そのままにしておこう。
治療も、交代しながらアオを抱いて行っています。
ホルンとヴィヴィも、上手に治療の注意点を説明していますね。
トントントン。
トントントン。
「できたー!」
「綺麗に切れたね。じゃあ、次はお鍋に入れようね」
「はーい」
そして、僕とジョディーさんの料理班も、子どもたちに料理体験をさせていました。
包丁を持ったことのない人が殆どだから、包丁の持ち方から食材を押さえる猫の手まで説明します。
頑張って切った食材を町の人が美味しいと言いながら食べてくれるので、子どもたちにとってもいい自信になりますね。
こうして、今日はほんわかした空気の中で奉仕活動が進んで行きました。
「ふう、これで終わりですね」
「「「しゅーりょーだよー!」」」
夕方前には、全ての撤収作業も完了しました。
途中で頑張った人たちにクレープを作ってあげたけど、好評で何よりだった。
馬がクレープを食べさせろと言ってきたけど、流石に食べさせられなかったよ。
すねてもあげませんよ。
「虎獣人のお姉ちゃん、とってもカッコよかったよ!」
「ありがとうございますわ。わたくし、こう見えて親が軍人で常に鍛えているのですわ」
「わあ、そーなんだ!」
ノア君は、一緒に馬に乗っていた令嬢と仲良くなったみたいですね。
まあ、あの令嬢の動きを見れば、普段から鍛えているのは直ぐに分かります。
ということで、僕たちは令嬢と別れて城に戻りました。
「おお、帰ったか」
「お待ちしておりましたよ。みんな、頑張ったご褒美ですわ」
「「「わー!」」」
すると、ちょっと豪華な夕食とともに皇帝陛下と皇妃様が僕たちを出迎えてくれた。
送別の意味もあるのだろうけど、それでも小さい子たちはかなり喜んでいた。
そして、どれだけ頑張ったかを周りの人に説明していました。
特に、皇妃様がニコニコしながら話を聞いていました。
色々あった帝国滞在だけど、こうして笑顔で終われるのはいいことですね。




