散歩の八百九話 皇帝陛下の誕生日パーティーの始まり
「間もなく、皇帝陛下が入場されます。皆さま、お席にお戻り下さいませ」
おっと、係の人のアナウンスがあったので一斉に席に戻った。
僕たちも来賓席に座ったけど、やっぱり特別感が否めない。
まだ皇帝陛下やスーがやってこないから、周囲の視線が僕たちに集中するよ。
「皆さま、ご起立下さい。皇帝陛下並びにスーザン王女殿下がご入場されます」
周囲の視線を浴びること五分、ようやく皇帝陛下陛下の入場が始まった。
僕たちは立ち上がって、臣下の礼を取った。
皇帝陛下に続いて皇族の方々とスーが入場してきたけど、ゴリアテさんの貴族服がパツンパツンなのは気のせいでしょうか。
スーは、挨拶までは皇帝陛下の隣にいるみたいです。
「皆のもの、面をあげよ。本日は余の誕生日パーティーに、王国からのものを迎え盛大に開催できることを嬉しく思う。帝国が更に発展するように、皆も王国の良いところを吸収して自己研鑽に励むように」
皇帝陛下が訓示を行なったけど、お互いのいいところを学び合うのはとてもいいことだ。
そして、全員に飲み物が配られた。
「それでは、両国の益々の繁栄を祈願し乾杯とする。乾杯!」
「「「乾杯!」」」
こうして、皇帝陛下の音頭で誕生日パーティーが始まりました。
僕たちは、国賓なので真っ先に挨拶に行きます。
「皇帝陛下、お誕生日誠におめでとうございます」
「「「おめでとうございます」」」
「うむ」
来賓が多いので、挨拶をしたところで直ぐに次の人に場所を譲ります。
シロたちが元気よく挨拶をしたので、皇帝陛下もスーも思わずニッコリしていました。
ちなみに、スーの足元にはアオがちょこんといて、しっかり守ろうと気合を入れていました。
さて、僕とホルンは料理の準備を始めないと。
二人でエプロンを身に着けて、料理の準備を始めました。
チラチラ、チラチラ。
すると、挨拶の合間に皇帝陛下とスーが僕たちのことをチラチラと見るようになりました。
挨拶に並んでいる人なんか、じーっと見てくる人もいます。
みんな、僕とホルンの料理を楽しみにしているみたいですね、
ちなみに、当初予定にはなかったけどジョディーさんがホルンの手伝いをしてくれています。
ノア君はというと、みんなと仲良く食事をしていますね。
「シュンお兄ちゃん、何を作るの?」
「最初は、みんなで作った半生干物を使ったムニエルだよ。せっかくみんなが頑張って作ったのだから、多くの人に食べて貰わないとね。それに、タルタルソースをかけるんだよ」
「おー! とっても楽しみ!」
シロが僕に料理の質問をしてきたのもあってか、多くの人が料理に期待しています。
といっても、普通のムニエルだけどね。
タルタルソースに、ちょっと隠し味をしています。




