散歩の八百三話 またまた体験プログラム
昼食の後は、再び展示室脇にある体験コーナーに移ります。
午後は体験の第二弾ということで、あることをするみたいです。
「では、本日最後のプログラムとして皆さんに絵を描いて頂きます。題材は、アオさんが作ってくれたフラワーアレンジメントです」
ここでは、花を題材にした絵画教室も開かれるそうです。
本来は別のものを題材にしようとしたらしいですが、ちょうど良いものができたのでそれを利用することにしました。
ちなみに、アオがもう何個かちゃちゃっと小さなフラワーアレンジメントを作っていたので、幾つかのグループに分かれて絵を描くことになります。
「よーし、頑張るぞー!」
そして、我が家の誇る画伯でもあるシロが、キャンバスを目の前にして張り切っていました。
ちなみに、他の人はコピー用紙くらいの小さな紙に描きます。
ではでは、さっそく書き始めましょう。
「ふんふんふーん」
シロは下書きもなくいきなり塗り始めているけど、特に気にすることはないでしょう。
アオは指導係になって、僕とともに小さな子に絵の描き方を教えていました。
フランたちも普段から絵を描く勉強をしているので、すらすらと下書きを書いていきます。
「スーザン王女の皆さんは、絵を描く勉強もしているのですね」
「ええ、集中を鍛える良い勉強にもなりますし、心も豊かになりますわ」
見学に回っている皇太子妃様とスーがうちの教育方針について話をしているけど、ただ勉強をすればいいってことはしていません。
心身を鍛える意味でも、色々な経験をさせています。
そうこうしているうちに、シロの絵画第一弾が完成しました。
「できた!」
「わあ、まるで目の前にフラワーアレンジメントがあるかのようですわ」
「とても素晴らしいです。まるで絵師のようですわ」
シロがあっという間に描いた絵を、令嬢たちがうっとりしながら見ていました。
相変わらず、写真みたいにその場にあるかのような絵を描くなあ。
そして、シロはもう次の絵を描き始めていました。
今度は、バラ園を含む建物と温室を描いています。
「えーとね、こんな感じで描いているんだよ」
「「「そーなんだ!」」」
ホルンは絵も上手いので、小さい子に色々と教えていました。
フランはいつも独特な絵を描くけど、それはそれで個性です。
令嬢の中にもとても素晴らしい絵を描く人がいて、アオがあれこれ教えていました。
「できたー!」
そして、シロはまたまたあっという間に絵を描き終えて、第三段に取り掛かりました。
今度は、芝生広場で遊んでいる様子を描いています。
こうして、真剣だけど穏やかな空気の中で絵画教室は進んでいきました。




