散歩の七百九十八話 展示室
「ここでは、帝国の地図を元にどこでどんな植生が見られるかを掲載しております。また、各地域の特徴も掲載しております」
大きな地図が幾つかに区切られていて、イラストで視覚的に植生を確認できる。
中々面白い試みだけど、シロたちはもう一つの地図に見入っていた。
「ねーねー、これは食べられるものが書いてあるの?」
「ええ、そうなります。帝国は広大な領地を持っておりますので、地域によって取れる作物も異なります」
麦が盛んなところ、米作りが盛んなところ、はたまたそば栽培みたいなものや芋栽培が盛んなところまで千差万別です。
野菜の栽培も盛んなので、帝国の食事事情はかなりいいみたいですね。
「ただ、作物を作るだけでは駄目なので、連作被害をどう防ぐかを研究しています。過去に麦が育たずに大打撃を受けたことがありました」
畑を休ませたり違う作物を育てたりと、連作被害を防ぐには結構な対応が必要です。
しかし、そういうのも研究しているとはかなり凄い施設に思えてきた。
それは随行員も同じみたいで、かなり興味深く資料を眺めていた。
一方で、小さい子どもたちには少々難しい話なので、ポカーンとして聞いていた人もいました。
令嬢は、反応が様々ですね。
関心を持って聞いている人もいれば、そうでない人もいました。
今度は、体験フロアに向かいます。
ここでは、種まき体験やフラワーアレンジメントが体験できます。
なので、男性陣は種まき体験で女性陣がフラワーアレンジメント体験をします。
ただし、フラワーアレンジメントといいつつ、人数も多いので小さめのものを作るみたいですね。
ではでは、僕はノア君とともに種まき体験をします。
「ポットに土を入れて栽培するのですね」
「ヴィクトリー子爵様は、そういうことにも詳しいのですね。露地まきよりも管理がしやすいので、こうしてポットを使っております。このポットも紙を固めたものですので、そのまま土に植えることもできます」
思った以上にハイテクなものを使っていて、感心するばかりです。
では、小さい子どもたちによる種まき体験を始めます。
「シャベルで、土をポットの中に入れましょう。土を入れたら、指の関節一つ分の穴を空けて種を入れます。そうしたら、土をかぶせましょう」
「「「はい!」」」
こうして種まき体験が始まったけど、豪快に土をこぼしながら入れる子どもや慎重に入れる子どもなど、性格がよく現れています。
ノア君は、どちらかというと慎重に進める方ですね。
何故かフランも種まき体験に参加していたけど、こちらは豪快に土をこぼしていました。




