散歩の七百九十一話 遂に干物が完成
食堂の隣にあるお土産売り場では、まだ多くの品物がところ狭しと並んでいました。
冷たい空気が出る冷蔵魔導具のケースに入っているので、鮮度が保たれている状態です。
それに、観光客だけでなく町の人も買い物に来るそうです。
ということで、僕たちも買いすぎない程度に購入していきましょう。
「えーっとね、これとこれと……」
「あっ、これも欲しいなあ」
「このソースも欲しいよ」
「うんとね、このお魚が良いなあ」
シロたちも思い思いにお土産を購入しているけど、多分この魚は僕が料理することになるんだろうなあ。
ソースを選んでいる辺りは、料理上手なホルンらしいけど。
そして、僕も幾つかの魚とともに調味料を多めに購入します。
ピリ辛ソースなんかは、帝国の人々が喜びそうだ。
アオも、明後日の料理の参考になりそうなものを吟味しながら買い物を続けています。
そういえば、ちょっと気になったことが。
「マグカフさん、魚の練り物とかってあんまりないですね」
「あるにはあるんですけど、加工が必要なのでそこまで出てきてはいません」
そっか、ひと手間必要だからそういう理由もありそうだ。
出汁の効いたつみれ汁なんて良さそうだけどね。
買い物は意外とサクッと終わり、みんなお待ちかねの加工場に戻ります。
「ちょうど包装していたところだよ。良い感じに開きができているよ」
「「「美味しそう!」」」
おばちゃんが声をかけてくれたけど、丁寧に処理をしたから良い感じの干物ができています。
完全に乾燥していない分、身がふっくらとしていそうです。
日持ちはしないかもしれないけど、僕とアオはアイテムボックス持ちだから気にしません。
「この干物を、外で七輪とかで焼いて食べるととっても美味しそうだね」
「「「早く食べたいな!」」」
シロたちも頑張って処理をしていたので、とても達成感があるのでしょう。
食育の意味でも、この干物作り体験はとても良かった。
今日の視察は、本当にためになった。
スーも、さっそく通信用魔導具で陛下に報告していました。
王城に着いたら、ジェフちゃんがみんなの作った干物を食べたいって言うかもしれないね。
こうして、僕たちの視察は無事に修了して皇都に帰ることになりました。
ちなみに、帰り道にまた変なものが出てきたけど、大した妨害にはなりませんでした。
この程度なら、僕たちにとっては何も問題ないですね。




