散歩の七百八十二話 いざ湖へ
訓練の後は、朝食を食べて着替えて馬車に乗り込みます。
「どれだけ大きい湖か、とっても楽しみ!」
「「「楽しみ!」」」
シロたちは王都近郊の温泉街で船に乗ったりしたので、今日の観光をとても楽しみにしていた。
ジョディーさんとノア君も、湖に行くのは初めてだという。
今度、みんなを温泉街に連れて行ってあげたいなあ。
そう思いながら、僕たちを乗せた馬車は護衛に守られながら出発しました。
「ヒヒーン」
「ブルル」
そうです、いつもは馬二頭で馬車を引いていたのですが、今日は一頭で引いていてもう一頭が自由に動いています。
まあ、うちの馬は特別だから一頭でも余裕で馬車を引いています。
そして、自由な馬には実はアオが乗って手綱を操っています。
同行する帝国の護衛は馬を操るスライムに度肝を抜かれたけど、朝アオと手合わせをした面々は流石だと感心していました。
もちろん、馬とアオが僕たちの護衛を務めています。
「「「ははは、ここは通さな……」」」
「ヒヒーン!」
バコーン!
「「「うぎゃー!」」」
道中やっぱりというか邪魔をしてくる連中が居たけど、馬が魔法障壁を張りながら死なない程度に跳ね飛ばしていました。
跳ねられた邪魔者は、宙に浮いている間にアオの治療を受けていました。
まあ、地面に転がって即御縄だったけど。
「うちの馬とアオを止められるのって、果たしているのかな?」
「うーん、多分いないかと思います。ゴブリンの大群がいても、お構い無しですから……」
僕とスーは馬車の窓から外の様子を見ていたけど、たった今邪魔者が出現させたゴブリンの大群を馬が魔法障壁を展開して猛スピードで跳ね飛ばしていました。
アオも、ゴブリンは獲物にならないと風魔法で粉々に切り刻んでいました。
一分もかからずにゴブリンを駆逐したので、邪魔者は思わずポカーンとしちゃいました。
無抵抗で軍に拘束されたけど、邪魔者はこんなはずではと思ったのではないかな。
「えーっとね、こうやって問題を解くんだよ」
「「「はーい」」」
そして、敵が弱いのでシロたちは外のことを全く気にしていなかった。
シロが先生になってフランたちに勉強を教えていたけど、中々様になっていますね。
スーも何も問題ないと踏んで、フランたちに勉強を教えていました。
もし僕たちが本気で戦う相手が出てくるのなら別だけど、足止めにもならない相手だからどうでもいいですね。
こうして、僕たちは予定通り城を出て一時間で目的地の湖に到着しました。




