散歩の七百八十一話 熱の入った手合わせ
翌朝、僕たちはまたまた城の訓練場に集まりました。
今日も、アオと対戦したい人が数多く集まっています。
そのため、手合わせの時間が五分間から三分間に短縮されました。
それでも、アオと対戦したい人はまだまだ多いだろうなあ。
そして、何故か僕とホルンに熱い視線を向ける人がいます。
「昨日シュン様が凄い料理を作ったと、色々なものが噂しておりましたぞ」
どうも昨日の交流会で料理を食べた人が食べられなかった人に美味かったと自慢したらしく、それもあってか皇帝陛下の誕生日パーティーの時に僕が作る料理を楽しみにしているという。
ホルンに関しても、まんまる焼きが大好評だった影響らしい。
特に、子どもから美味しかったと自慢された親がホルンに注目しているという。
キチンと料理を作りますから、そこは安心して下さいね。
バシッ、バシッ!
「はあっ!」
「せい!」
そして、今日も今日とてラストさんとゴリアテさんの激しい手合わせが行われていた。
うん、もう誰も突っ込んでないですね。
そんな周囲を見ていると、マグカフさんとベルルさんが僕に話しかけてきました。
「シュン様、本日ですがこの後王都近くにある湖に行く予定でございます。我が国を代表する観光地になっております」
「馬車で片道一時間ほどで、現地に着く予定でございます。今回は、私たちの他に軍人のものが同行すると申しております」
ベルルさんがちらりとアオのいる方を見たけど、昨日同行しなかった面々がついてくるそうです。
アオがすんなりと手合わせしている辺り、問題なさそうな人たちみたいですね。
「昨日王城にかのものの夫人が押し寄せたのもあり、何かあるのではと警戒しております」
「確かに教会にも例の連中がいましたし、警戒しておくことに越したことはないですね」
「まさにその通りになります。道中や現地にも兵を配置しておりますが、何をしてくるか分かりませんので」
人神教は、本当に面倒くさい相手だよね。
というか、自分勝手な連中が多いからそれだけでもかなり迷惑です。
そして、昨日教会の遊撃班で軍人の人たちが活躍したのも一因でしょう。
やる気があるのはいいことだけど、やり過ぎだけは注意して下さい。
「明日も観光案内の予定ですが、正直なところ本日の結果如何となります」
「個人的には、人神教に屈することのないように普通に対応したいですね」
「私もそう思っております。ただ、慎重意見を言うものもおりまして……」
安全第一な内容にすることもできるけど、そうすると人神教に繋がっている可能性の高い過激派が煩く騒ぐだろう。
こういうのって、さじ加減が難しいですね。
「とう!」
「やあ!」
それと、ラストさんとゴリアテさんはそろそろ終わりにしましょうね。
今日の行動に支障がでますよ。




