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散歩の七十八話 商品開発

 さて、お腹も膨れたし午後も仕事開始。

 メインとなる救護所と迷子センターの使い勝手を確認しようとしたら、ここでまさかの人から呼び出しが。


「いやあ、あんちゃんの料理の腕前は凄いね。ちょっと商品開発に協力してくれない?」

「あの、救護所の確認もあるんですけど……」

「あんちゃんがいなくても、三人もいるから大丈夫。それにあんちゃんはゴブリンハンターでもあるんだから、実力は証明されている」


 という事で、隣の管理施設にアオと一緒に移動する。

 まあシロもスーも隣にいるし、何かあったら呼んでもらう事にした。


「とりあえず甘味ものがいいな。花見は酔っぱらいも多いが、女性も多いからな」

「材料は、どんなものがありますか?」

「とりあえず、こんなものか。ジャムとか果物の干したのもあるぞ」


 うん、なんで異世界にベーキングパウダーがあるかは分からないけど、これならホットケーキミックスもどきができるぞ。

 ミルクもヤギの乳だし卵もないけど、きっと大丈夫だろう。


「先ずはホットケーキミックスもどきを作って、ヤギの乳とバターを混ぜる。それで魔道コンロに鉄板を置いて薄く油を引くと」


 僕のやっている側でアオが興味深そうに様子を見ている。

 折角だから、アオにやらしてみるか。


「鉄板があったまってきたら、小さい円になる様に作ったタネを落としていくんだ」


 アオは器用に触手を使って、ボールからおたまを使って鉄板にタネを落として焼いていく。


「表面がぶつぶつしてきたら、ヘラでひっくり返すんだ。そうそう、うまいぞ」


 アオは触手を使って、ヘラでタネをひっくり返していく。

 おや?

 何故か実行委員長と他の実行委員も集まって見てきている。

 ちょうど良いから味見してもらおう。


「タネが焼けたら鉄板から取り出して、ジャムを塗って果物を置いてもう一個の焼けたタネで挟んで完成。クリームがあれば良いけど、これでも美味しいはず。あっ、バタークリームを作れば代用になるな」


 ヤギの乳とバターに砂糖を使って、簡単なバタークリームを作る。

 これで味にアクセントがつくはずだ。

 すると、目の前に集まっている実行委員が出来上がったお菓子を試食していく。


「こりゃ手が汚れなくていいな。材料も特別な物は仕入れなくて済むぞ」

「このクリームを使えば値段の差別化もでしるし、ジャムや挟むものを変えてもいいな」

「スライムが焼いているから、スライム焼きでいいでしょう。値段はこの位で……」

「折角だから、予備の屋台を使ってみるか」


 えーっと、既にアオが屋台をやる前提で物事が動いていますけど。

 アオも練習を兼ねて、どんどんと焼いては挟んでいく。


「ふう、これでどうでしょうか?」

「わあ、凄いね! アオの屋台だ!」


 スーも呼ばれて看板と値段表を作っていく。

 こうして、スライム焼きの屋台が完成した。

 どうしてこうなった……


「にいちゃんの焼きそばの屋台も作っておくぞ」

「あの、僕は救護班……」

「ははは、今年は盛況間違いなしだな」


 そして、なぜか僕の焼きそばの屋台まで作られる事に。

 どうしてこうなった……

 因みに管理施設の隣なので、一応実行委員会の所属扱いになるそうだ。


「いやあ、今年はどうなるかと思ったけど予想以上の成果だよ。祭りは休息日明けの四日後から二週間続くぞ。暫く連勤になるがよろしくな」

「「「はい!」」」


 どうかと思う所もいっぱいあったけど、とりあえず準備は完了。

 四日後に再度集合となったので、僕達はここで解散となった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「にいちゃんの焼きそばの屋台も作っておくぞ」「あの、僕は救護班……」「ははは、今年は盛況間違いなしだな」 仕事で、なあなあは、ダメでしょう。雇用条件と言うか何をするか決めていたでしょう。何…
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