散歩の七百七十五話 本日の奉仕活動の準備
ということで、朝食を食べて着替えたら馬車に乗って教会に向かいます。
因みに、昨日行った大教会ではなくごく普通の教会で行います。
「あっ、アオがまた大きいネズミさんがいるって言っているよ!」
教会に着くと、またもや人神教関係者が中に潜んでいるそうです。
念の為に探索魔法を使ってっと……
うん、確かに大きいネズミが二匹いるな。
教会の周囲にいる大きいネズミは後で捕まえられるから、先ずは皇妃様の身の安全の確保を優先しましょう。
五分後にアオがすすすって教会内から戻ってきたけど、無事に大きいネズミを無効化できたみたいですね。
では、さっそく教会内に入りましょうか。
すると、大きな羊の角を持つ女性の司祭様が急いで僕たちのところにやってきた。
「皇妃様、お待たせして申し訳ありません」
「いえいえ、急に奉仕活動をお願いしたのは私たちですから。しかし、ここにネズミがいたようですね」
「私も完全に想定外でした。こんな教会にも人神教のものがいるとは……」
司祭様も予想外だと言っていたけど、こればっかりは相手のやることだから難しいですよね。
そして、さっそく奉仕活動の準備を始めます。
「おらあ、お前何をしている!」
「ヒヒーン!」
「えっ、何で見つかった?!」
うん、既に遊撃班が活躍しているけど気にしないことにしよう。
朝訓練に参加した人たちは特に気合が入っているし、こちらが悪いことをしているわけではないですからね。
僕は、料理を作りながら皇妃様に午後の予定について話を聞いてみた。
トントントン。
「皇妃様、午後の文化交流は何をされますか?」
「その地域の伝統や文化などを、皆さまに体験頂きます。料理の交流もございますわ」
なんとなく前世での文化交流をイメージしていたけど、似たようなイメージか。
この辺りは、主にスーとシロたちが体験することになるだろうね。
「そうそう、王国の料理を教えて欲しいということで、シュン様にご指名が入っておりますわ。令嬢たちも、かの有名な『雷撃の料理人』の作った料理を食べたいと言っております」
うん、まさか指名が入るとは思わなかった。
とはいえ、他にお願いする人もいないだろうね。
そして、更に皇妃様が僕にあるお願いをしてきました。
「シュン様には、皇帝陛下の誕生日パーティーで料理を披露して頂きたいのです。パーティー会場の一角に、料理をするためのスペースをご用意しますわ」
そういえば皇帝陛下が改めて僕の作った料理を食べたいと言っていたけど、まさかそんなことになるとは。
僕の横で聞いていたアオも、仕方ないよって触手をふりふりとしていました。
うん、手伝ってはくれないんですね。




