散歩の七百七十二話 精神的に疲れた…
最初にやるべきことは、子どもたちを着替えさせて寝かせることです。
未だに皇帝陛下とスーはワインを飲んでいるので、今のうちに移動します。
「皆さま、本日はシュン様の部屋で就寝となります」
「お着替えは用意してありますので、このまま向かいましょう」
「「「はーい」」」
アヤとアイに案内されながら、シロたちは動き始めました。
うん、子どもたちも素直に指示に従ってくれました。
部屋に移動して、手早く子どもたちを着替えさせます。
随行員の面々も、このタイミングで部屋に移動しました。
「じゃあ、先に寝ていてね」
「「「お休みー」」」
シロたちは寝かしつけたから、これで一安心です。
では、本丸に移ります。
「「ぐー、ぐー」」
本丸は、既にアオが処置をしてくれていました。
状態異常回復魔法と回復魔法をかけた上で、睡眠魔法で眠らせていました。
すると、皇妃様が大柄な皇帝陛下をヒョイッとお姫様抱っこしました。
「ふふ、とても楽しい歓迎会でしたわね。また明日、訓練場でお会いしましょう」
「はっ、はい……」
ニコリとしながら軽々と皇帝陛下を抱きかかえて歩く皇妃様は、なんというか凄い人だと感じました。
この人が皇妃としてやっているから、皇帝陛下も動けるのだと感じました。
さて、お姫様を連れて帰りましょう。
僕も、皇妃様に負けじとスーをお姫様抱っこしました。
うん、思った以上に軽いですね。
「うーん、ワイン樽で下さい。むにゃむにゃ……」
「「ぷっ」」
あの、スーよどれだけ飲むんですか。
今の寝言を聞いて、流石にアヤとアイも吹き出していました。
そして、何とか部屋に連れて行って、ベッドに寝かせました。
危ないので、身に付けていたアクセサリーはアヤとアイに取って貰います。
ドレスのままだけど、今日はしょうがないですね。
僕とアオは、任務完了だと額の汗を拭いました。
「じゃあ、部屋に戻ります。念入りに治療したので、これで大丈夫かと思います」
「私もそう思います。アオ様の魔法でも駄目だったら、諦めるしかないかと」
アイよ、それはフラグって言うんだよ。
せっかくここまでうまく行ったんだから、フラグを立てなくてもいいかと思います。
こうして、僕とアオはアヤとアイにスーを任せて部屋に戻りました。
「流石に精神的に疲れた……」
慣れない式典もあったし、酔っ払いの相手もあったので結構疲れてしまった。
僕はベッドの空きスペースに入ると、あっという間に寝てしまったのだった。




