散歩の七百五十八話 まさかの再会
「皆さま、夕食の準備が整いました」
「「「はーい!」」」
早めにお風呂に入って着替えていたら、使用人が僕たちに声をかけた。
僕たちも、身だしなみを整えて使用人の後をついていきます。
皇帝陛下の家族だけらしいので、緊張しなくてもいいのかなと、そう思いました。
そして、食堂に着いたらどこかで見たことのある人が豪華な服を着ていました。
シロ、フラン、ホルンもその人の存在に気が付きました。
「「「あっ、スーパーゴリラーマンだ!」」」
「皆さま、お久しぶりです」
シロたちが抱きついた相手は、何と東の辺境伯領で僕たちと一緒に行動していたゴリラ獣人だった。
確か、もっと鍛えるために別の場所に行っていると聞いたけど。
すると、皇帝陛下たちも食堂に入ってきた。
「ははは、やはり息子から聞いていた人物と一緒だったか。それなら、皆さまの強さも良く分かりましたぞ」
えーっと、皇帝陛下が僕たちにゴリアテさんを息子と紹介したぞ。
何がなんだか分からないけど、説明してくれることになったので一旦全員席に着いた。
そして、皇帝陛下が三人の息子を紹介してくれた。
「長男で皇太子のペーター、そして嫁のスレイアだ」
ペーターさんは母親似のウサギ獣人で、奥さんはもふもふの尻尾を持つキツネ獣人だった。
とても温和そうな人で、背の高さは父親譲りでしょう。
「二男のヤナセだ。内政担当だ」
ヤナセさんもウサギ獣人だけど、背はペーターさんよりも低かった。
この辺りは、母親似なのかもしれないを
「そして、三男のゴリアテだ。以前お世話になったみたいだな。今は軍務についている」
こう見ると、ゴリアテさんは父親にそっくりだった。
でも、温和なところは母親似かもね。
食事をしながら、ゴリアテさんに質問をしました。
「何故ゴリアテさんは、帝国ではなく王国でしかも冒険者をしたのですか?」
「前にも話したが、武を極める為だ。帝国を守る力をつけるために、あえて帝国ではなく王国で研鑽をつもうとしたのだ」
「「「おおー!」」」
わざと厳しい環境に身を置いて訓練をするなんて、ゴリアテさんは本気で武道に向き合っていたんだ。
これには、シロたちだけでなく王国側全員が感心していた。
「しかし、私の力はまだまだだとまざまざと見せつけられた。アオ殿は更に強くなったと思うが、私も鍛錬を続けた。一度手合わせして欲しい」
「アオがね、何回でも良いよって言っているよ!」
アオも、手合わせした相手が強くなって再び対戦したいと言ってきたので、燃えるものがあるみたいだ。
何気にラストさんもやる気になっているけど、明日朝城の訓練施設でさっそく手合わせすることになった。
シロたちもゴリアテさんと手合わせしたいらしいけど、順番だからね。




