散歩の七百五十四話 邪魔をするもの
翌朝、僕は朝早く起きて昼食を作っていた。
昨日のお肉サンドはあっという間に食べ切ってしまったので、今日は事前に焼肉なども作っておきます。
もちろん栄養も考えて、サラダやスープなども作ります。
十分な量を作ったら、全部アイテムボックスに収納します。
「「「じー」」」
すると、厨房の入り口から僕のことを見ている視線が。
どうも、朝食で食べたいと視線で訴えていました。
僕は、思わず苦笑しながら料理を再開したのだった。
「段々とお家が増えてきたね」
「皇都に近づいているからだよ。問題なく旅が進んでいるからね」
「「「そーなんだ」」」
早朝に帝国直轄領を出発し、順調に旅は進んでいった。
お昼前には、段々と住宅街が街道の両側に広がっていった。
このまま進めば、昼食頃には皇都に到着する予定です。
予定よりも早く進んでいき、このまま進んでいけばいいと思った。
ところが、またもや邪魔をするものが現れた。
街道に、謎の集団が現れたのだ。
道いっぱいに広がって、僕たちの通行を邪魔し始めた。
安全のために僕たちは馬車に乗ったままで、護衛の兵とアオが邪魔者のところに向かった。
合計で二十人くらいかと思ったら、なんと馬車の後ろ側からも十人ほどの不審者が現れて僕たちの邪魔をし始めた。
そして、馬鹿な要求をし始めたのだ。
「王国のものは帝国にはいらない。このまま帝国から立ち去るか、ここで殺されるかどっちかを選べ」
なんと、剣を抜きながら僕たちに立ち去れと要求してきたのだ。
ということは、僕たちが皇都に着くのが邪魔な連中が背後にいますね。
でも、このくらいの不審者なら僕たちには問題ありません。
既に、アオが魔法を準備していました。
シュイン、バリバリバリ!
「「「ぎゃー!」」」
アオのピンポイントエリアスタンが発動し、不審者はあっという間に沈黙しました。
護衛が不審者を拘束しているうちに、いつもの幌馬車をアイテムボックスから取り出します。
そして、逃走防止に幌を全部下ろして、その中にどんどんと不審者をつっ込みます。
ぎゅうぎゅう詰めだけど、このくらいでこの特製幌馬車が壊れるはずがありません。
うちの馬も一頭で十分らしいし、監視に護衛も一人つくそうです。
このくらいで僕たちを足止めしようなんて、全然駄目ですね。
こうして、僕たちは普通に出発しました。
足止めされた時間は十分くらいだし、何も問題ないですね。




