散歩の七百五十三話 過激派対策
みんなで食堂に戻ると、食堂の前に二つの木箱が置かれていました。
どうも、この木箱に入っている肉が良くなかったみたいです。
そして、肉の出所が問題でした。
「過激派の代官から、『王国からの一行にどうぞ』と渡されたそうです。周囲を問題ない肉で包み、中に悪くなった肉を入れる念の入れようでした。大量に贈られて、町の人にもと言われたそうです」
マグカフさんがため息をつきながら事の経緯を教えてくれたけど、まさかそんなことをするとは普通思わないよね。
現在帝国軍を呼び寄せているらしく、これから大規模な捜査が入るという。
一時間ほどで着くらしく、その間に僕たちは朝作った食事を食べることにしました。
他の人たちはお腹を壊したのもあって、消化の良いものを作って食べるそうです。
こうして帝国軍が到着して事情を説明した後、僕たちは旅を再開しました。
「うーん、もしかして僕たちを足止めするためだったのでしょうか」
「代官を聴取しないと分かりませんが、その可能性は否定できません。いずれにせよ、今回の件を受け皇帝陛下はカンカンに怒っております」
色々調整するために僕はマグカフさんの馬車に乗っているけど、代官は帝国で一番偉い人を怒らせてしまったようです。
国賓を害しようとしたのだから、そりゃ当然でしょう。
既に帝国経由で王国にも連絡してあるそうで、スー経由でも何があったか報告したそうです。
こうして、結構大きなトラブルがありながら、何とか今日宿泊する帝国直轄領に到着しました。
「明日も、念の為に昼食の準備をしておきましょう。問題なければ、昼前には皇都に着くはずです」
「アイテムボックスに入れておけば、いつでも美味しい状態で保管できますからね。今日のことを考えれば、準備をしておくことに越したことはないですね」
「「「やったー」」」
夕食時にマグカフさんとどうするか話し合ったけど、こういう時だから念には念を入れよう。
シロたちは、連日僕の料理を食べられると思ったのかかなり喜んでいた。
ちなみに、随行員も含めて全員あっという間に完食しちゃったので、明日の分はもう少し多めに用意するようにします。
そして、例の代官は捕まって皇都に運ばれるという。
背後関係を調べないといけないから、これから軍は大変だろう。
更に過激派が既に問題を起こしたのもあり、今後の行事にも少し影響が出るそうです。
「基本的に過激派は全ての行事に出入り禁止になります。更に、皇都の巡回を増やすそうです」
マグカフさんが現状の対策を教えてくれたけど、これで済んでくれればいいのですが。
これからが一番大変だと、誰もがそう思いました。




