散歩の六百九十七話 無事に一日目が終了です
パカパカパカ。
僕たちを乗せた馬車隊は、順調に街道を進んでいきます。
主要街道というのもあってか、この辺りは軍が定期的に害獣駆除をしているという。
なので、探索魔法にも特に危険なものは引っかからなかった。
でも、何かあってはいけないので、定期的に休憩を入れます。
「皆さま、お茶が入りました」
「「「わーい」」」
アヤが僕たちにお茶を淹れてくれていて、アイが随行員にお茶を淹れていた。
その間に、アオが馬に話しかけながら体調を聞いていた。
馬の調子は、全頭問題ないみたいです。
「流石はスーザン殿下です。こうして、馬の確認を怠らないとは」
「馬も馬車も、私たちの旅にとって大切な一部です。どちらかが欠けても、旅は続けられませんから」
軍人でもあるラストさんが、僕たちの行動を褒めてくれた。
基本的には念には念を入れて動くのだけど、慎重な行動を取るのが軍の行動にも繋がるそうです。
確かに、一つの失敗が全体に及ぼすこともあるので、基本は無茶をしないはずです。
メリハリをつけるのが、軍の特徴でしょう。
「今日は、王国直轄領の町に宿泊ですね。予定よりも早く進んでいます」
「早い分には問題ありません。報告書の作成などもありますので」
流石はフランツさん、とても真面目ですね。
僕たちも簡単に報告書は作ることになっているけど、いったいどんな報告書ができるのでしょうか。
ちなみに、シロたちも日記をつけるように言ってあります。
では、馬の休憩も十分に取れたので旅を再開させましょう。
「皆さま、ここが今夜宿泊する町になります」
「「「おおー!」」」
そして、予定よりも早く町に到着しました。
大きな宿に泊まるのだけど、安全も考えて丸々ワンフロア貸切です。
部屋は多めに取ってあるのだけど、僕とスーの部屋にシロたちが分かれて入っていました。
結局は、いつもの状態になったね。
では、僕は兵と明日の予定について話をします。
「明日は、本日と同じ時間に出発いたします。問題なければ、夕方前に子爵領に到着する予定です」
「「「はい!」」」
部屋にいたシロ、フラン、ヴィヴィが元気よく答えていました。
ちなみに、アオはスーの部屋で護衛を兼ねます。
この町には駐留軍がいるので、交代で宿の護衛に当たってくれるそうです。
旅の初日としてはまずまずの滑り出しだったけど、明日以降は一体どうなるのか。
まずは、今夜はゆっくり休んで明日に備えましょう。




