散歩の六百九十一話 新たな随行員
追加の随行員が一人決まったと連絡があったので、その日の午後みんなで王城に向かいました。
陛下と王妃様は公務があるそうなので、代わりに王太子殿下が随行員を紹介してくれます。
しかし、何故か場所が王城の中庭でした。
その理由は、参加する人の職業が関係していました。
「皆さま、初めまして。コーラル伯爵家のラストと申します。どうぞ、宜しくお願いします」
「コーラル伯爵家は、代々優秀な軍人を輩出する。そして、護衛も兼ねるのでみんなの実力を知りたいそうた」
筋肉ムキムキで赤髪を短く刈り上げており、如何にも軍人らしい体をしています。
真面目そうな性格だけど、確かに王太子殿下の言う通り護衛する側の実力も知りたいよね。
ということで、さっそく手合わせをする事になりました。
あと、シロたちとアオが普通にしているので、ラストさんも良い人ですね。
武器なしの格闘で、手合わせをやることになりました。
「えい、やあ!」
「むっ、これは。どんどんと来てください」
最初はスーが手合わせを行ったけど、使うのは身体能力強化のみです。
それでも、ラストさんは軽々とスーの拳を受け止めていました。
その後も、僕やシロたちとも手合わせをしたけど、全て確認するように受け止められてしまった。
ラストさんは、かなり強いですね。
最後にアオが手合わせをしたけど、見た目はアオが一番善戦していました。
「ラスト、どうだったか?」
「いやはや、かなりビックリしました。皆さま、かなりお強いです。これで魔法を使うとなると、いったいどうなることやら」
「ふむ、そうか。なら、ある程度は自身の身は守れそうだな」
いやいや、王太子殿下も冷静に分析していたけど、ラストさんを超えるのはかなり大変ですよ。
とはいえ、心強い同行者ではあります。
「悔しいよ、全然勝てなかったよ」
「駄目駄目だったよ」
一方で、特に格闘戦を主戦としているシロとフランを含む負けた面々はかなり悔しがっていた。
でも、ラストさんを負かすにはそう簡単には行かないと思うよ。
「また、勝負して!」
「今度は勝つよ!」
「ええ、楽しみにしています」
更にシロたちは、もっと訓練を頑張ると言っていた。
随行員としてラストさんとは一緒に動くし、手合わせする機会は沢山あります。
僕も、もう少し訓練を頑張らないとなあ。
何れにせよ、また旅の楽しみが増えましたね。




