散歩六百九十話 フランツさんはこんな人?
午前中は王城でみんなで勉強して、午後はフリーになったある日、リアーナさんが屋敷に遊びに来ました。
名目上は二人の赤ちゃんを愛でることだけど、本当はお兄さんが随行員として決まったことの挨拶です。
「スーさん、どうか兄を宜しくお願いします。その、兄は堅物というかクソ真面目なので。他人の婚約者などに手を出す事はありませんので、その点はご安心下さい」
うん、リアーナさんの言葉でフランツさんがどんな人か分かった。
決して悪く言っていないから、良い人なのは間違いなさそうです。
「ふふ、大丈夫ですよ。シュンさんも真面目ですから、何となく分かりますわ」
「あー、そうですね。真面目な上に誠実ですよね」
あの、二人とも僕を見ながら激しく納得しないで下さいよ。
まるで、真面目の手本のように見ていますよ。
確かに、不純なことをしようとは思わないけどね。
「兄は剣の達人でもあります。何かあった際には、きっと皆さんの助けになると思います。あと、ああ見えて甘いものが大好きです」
うちの女性陣は、ジョディーさん含めてお菓子大好きなんだよね。
だから、きっとフランツさんと気が合いそうな予感です。
というか、既に大量にあるお菓子を一緒に消費して欲しい。
話はこのくらいにして、ブレアちゃんとガイちゃんに会いに行きます。
今日は、勉強部屋で赤ちゃん二人とシロたちが一緒に遊んでいます。
「わあ、少し大きくなりましたね」
「ふっくらとしてきました。背も体重も増えていますよ」
リアーナさんは、笑顔でブレアちゃんを抱っこしていました。
ブレアちゃんは、じーっとリアーナさんの顔を見ていますね。
残念ながらガイちゃんはお昼寝タイムなので、シロたちもじっと見守っているだけですね。
「これから、スーさんのところはますます賑やかになりそうですね」
「そうですわね。きっと秋頃には、ハイハイとかもしていそうです。年明けには、歩いているかもしれませんわ」
もしかしたら、獣人の血が流れているからブレアちゃんもガイちゃんも早く歩き始めるかもしれません。
それはそれで、面白いかもしれませんね。
そのあと、リアーナさんは哺乳瓶を使ってヤギの乳をブレアちゃんに飲ませたり、おしめ交換の体験もしていました。
母親になるのは大変ですねと、二人して笑っていました。




