散歩の六百四十八話 穏やかな年の瀬
年の瀬になり、今日は一日のんびりして過ごします。
既に明日の準備は済ませていて、急いでやることはありせん。
「まだかな? まだかな?」
「もう少しでできるから、ちょっと待っていてね」
「「「ワクワク!」」」
今、庭の一角を使って石焼き芋を作っています。
ちょうど商会で七輪と大きめの植木鉢を購入できたので、それを改造してつぼ焼きにしています。
出来上がりがもうすぐで甘い匂いが漏れていて、鼻の良いシロたちは我慢できないみたいです。
針金で作った引っ掛けに乗せた芋を一個取り出して、串を刺して焼け具合を確認します。
「よし、できたよ。とろとろの甘々な石焼き芋だよ」
「「「「わーい!」」」」
美味しく仕上がった焼き芋に、シロたちは大興奮です。
作った芋を取り出して第二弾の芋を吊るし、出来上がった芋が少し冷めるのを待ってからみんなで食べ始めました。
「はふはふはふ。あまーい! 美味しい!」
「「「あまーい!」」」
シロたちは芋をスプーンですくって食べていて、上等な出来具合に満面の笑みを浮かべていました。
うん、良い出来で安心した。
アオも、芋を美味しそうに食べていますね。
「シュンさんにかかれば、普通の芋がスイーツになるんですね」
「こんなに甘い芋は、初めて食べました」
「砂糖を食べているくらい、甘いですね」
スー、マヤさん、セラさんも石焼き芋を美味しそうに食べています。
簡易的な装置だったけど、上手くいったみたいですね。
せっかくなので、沢山作って屋敷の使用人にも食べて貰います。
もう少し本格的な石焼き芋を焼く装置を作るのもいいかもしれないけど、それはまた別の機会にしましょう。
その間に、今度はじゃがバターを作ります。
これも、シンプルだけど美味しい料理ですね。
「「「「おいしー!」」」」
「これは美味しいです。ちょっと塩気のあるバターが芋にマッチしています」
「とても手軽で、炊き出しとかでも使えますね」
「寒い季節にちょうど良いです」
シロ達は何を食べても美味しいというので参考にならないけど、スーたちは色々と考えています。
じゃがバターを作るためには蒸し器が必要なので、大量には作れないけど規模の小さい炊き出し現場なんかでは良いかもしれません、
「シュンお兄ちゃん、次はどんなお芋の料理を作るの?」
「「「ワクワク!」」」
今日はこれだけにする予定なのでシロ達の期待には答えられないけど、たまにはこういう日も良いですね。
因みに、簡単なお芋料理は屋敷の使用人にも好評で、屋敷の料理人も負けられないと火をつけちゃったみたいです。




