散歩の六百四十二話 ゆっくりと汚れを落とします
「スーお姉様、今日は色々とありがとうございます」
「辺境伯領に帰る前に、またお屋敷に伺います」
「ええ、いつでもお待ちしておりますわ」
フィーナさんとトリアさんも見送って、これで全ての貴族令嬢が屋敷に帰りました。
何だか、どっと疲れちゃいました。
「はあ、流石に疲れたぞ」
「あの馬鹿たち、本当に町中で大騒ぎしやがった」
「本当よね。全くもう……」
前線で戦いまくっていた冒険者たちは口々に文句を言っているけど、見た目は普通にしていました。
やっぱり、みんなは以前よりも強くなったんだね。
そんな功労者に、スーがとある提案をしました。
「皆さん、もしよければ我が家で夕食を食べませんか? 本日のお礼も兼ねますので」
「「「行くぞ!」」」
おお、みんな一気に元気になったぞ。
そして、ぐるりと僕の方を見ます。
何を期待しているか分かるけど、流石に僕も疲れているので料理人が夕食を作りますよ。
大教会から屋敷まで遠くないので、女性陣以外は全員歩いて向かうそうです。
「皆さま、お帰りなさいませ。お話は伺っております、応接室にご案内します」
「あっ、私はマヤとセラが泊まっている部屋を見に行くわ」
「私も行ってみるわ」
そして、ワイアットが既に料理の件も含めて対応していたけど、女性陣の半分は屋敷に泊まっている二人の部屋に向かいました。
全員で行くのはよくないと、半分交代で行くそうです。
その間に、僕たちも室内着に着替えます。
すると、シロたちがこんなことを言い出しました。
「ねえ、シュンお兄ちゃん、ドロドロになったからお風呂入りたいな」
「僕も料理で汚れたから、みんなで入るか」
「「「「わーい!」」」」
シロたちには生活魔法をかけているけど、残念ながら完全には綺麗になってない。
夕食までまだ時間があるし、僕はシロたちとお風呂に入ってからゆっくりすることに。
しかし、お風呂から上がると今度は男性陣が応接室で待っていた。
「シュン、風呂入っても良いか? 少しのんびりしたいわ」
「それは構わないけど、客室の風呂になるからな」
「それは、風呂を工事している俺らが一番知っている。完成は年明け確実だな」
シロたちはお風呂大好きだから、男性陣の話を聞いてしゅんとしちゃいました。
そして、男性陣も清潔好きであったので助かった。
たまに、お風呂入らなくても全然平気って人もいるもんなあ。
因みに、女性陣はマヤさんとセラさんの部屋に設置されているお風呂に交代で入っているそうです。




