散歩の六百三十話 二人の歓迎の料理
「「ふわあ。こ、これが貴族の夕食……」」
「今日は、お二人の歓迎の意味も込めて夕食を用意しましたわ」
「「「「わーい」」」」
夕食は中々豪勢なものになっていて、マヤさんとセラさんは度肝を抜かれていた。
シロ達は、思いがけないご馳走に大喜びです。
流石に、フルコースは出さないけどね。
料理が冷めるといけないので、早速頂きましょう。
「そういえば、マヤさんとセラさんは王都にいる間はどうするんですか?」
「基本は、商会のお手伝いをしながら冒険者としても活動します」
「せっかくですので、王都では色々な依頼を受けようと思っています」
うんうん、二人とも良い感じに成長していますね。
初心者は卒業していているし、中級者向けの依頼なら十分にこなせるそうです。
ただ、冒険者といえども色々な人がいるから注意はしないと。
それに、接客スキルを覚えれば冒険者だけでなく他のことにも役に立ちます。
計算スキルを覚えると、尚良しって感じですね。
「では、商会の仕事が無い時に一緒に冒険者活動をしましょう」
「えっ、スーさんって今でも冒険者活動をしているんですか?」
「流石に危険な依頼は受けないようにしているわ。でも、つい先日はドラゴンの治療をしましたわよ」
「あの、十分に危険な依頼なんですけど……」
あの時のドラゴンはかなり大人しかったけど、一般人からするとドラゴンの存在だけでも脅威ですね。
二人とも、ぽかーんとしながらスーの話を聞いていました。
そして夕食後はお風呂の時間だけど、まだ浴場は修繕中です。
個室に付いているお風呂を使うのですが、シロたちが一斉に動きました。
「「「「マヤお姉ちゃんとセラお姉ちゃんと一緒に入る!」」」」
「ふふ、良いですよ」
「一緒に入りましょうね」
シロたちは、部屋に戻るセラさんとマヤさんの後をついていきました。
既にヴィヴィも二人に懐いてるし、良い傾向ですね。
さて、僕はアオと一緒に部屋に戻りますか。
でも、その前に確認しないと。
「スー、明日は何か用事あったっけ?」
「明日は特に予定はありません。なので、実家に荷物を取りに行こうかと思っています」
確かに今日はスラム街で炊き出しをしたばっかりだし、たまにはゆっくりするのも良さそうですね。
僕はアオと一緒に部屋のベッドでゴロゴロしていて、シロたちがお風呂から上がるのを待ちました。
多分、シロたちは今夜はマヤさんとセラさんと一緒に寝たいって言うんだろうな。




