散歩の六百二十二話 ダンたちへの説明
ダンたちが休憩時間になったタイミングで、応接室に案内して貰いました。
僕たちも、王城に行くために着ていたキチンした服から、室内着に着替えています。
更に、フランたちは午前中張り切りすぎてお昼寝タイムに突入しました。
緊張しているダンたちに、僕とスーがこれまでの経緯を説明しました。
ダンたちは、真剣に僕たちの話を聞いています。
そして、全てを話し終えると、ダンはふうっと息を吐いてソファーに寄りかかりました。
「いきなり、凄いことを聞かされたな。まさかスーが王女様で、王族になるために各地を回っていたとは」
「俺も王都に来て初めて知ったよ。スーの素性を知っていたのは、本当にごく一部の人だけだったらしい」
「そりゃ、気軽においそれと話せるものじゃないしな。シュンの功績を考えると、貴族になるのも頷ける」
ダンの言葉に、うんうんと他の四人も頷いていた。
ダンたちは理解が早いから、最低限の説明で済む。
そして、話はスーの横にいる二人のご令嬢に移った。
「そして、北の辺境伯様のご令嬢に西の辺境伯様の妹君か。王女様の屋敷に遊びに来るのだから、このくらいのレベルは当然か」
ジュースを飲んでいるフィーナさんとトリアさんを見て、五人は激しく同意していました。
別に問題のない人だったら、屋敷に遊びに来ても問題ないんだけどね。
すると、ここでフィーナさんがダンたちに話しかけてきた。
「あ、あの、シュンさんとスーお姉様と一緒に冒険者活動をしていたんですよね?」
「あ、ああ。荷物運びをしたり、ゴブリン退治をしたぞ」
「わあ、凄いです! あの、もう少しどんなことをしたか教えて下さい!」
「あっ、私も興味があります」
こうして、好奇心が溢れ出ているフィーナさんとトリアさんに、ダンたちは休憩時間いっぱいまで南の辺境伯領で何をしていたのか説明していました。
その度に、フィーナさんとトリアさんはものすごくキラキラした目をしていました。
ちなみに、一番盛り上がったのがシロが横倒しになった馬車を持ち上げたシーンでした。
ダンたちは、今年いっぱいはお風呂工事の手伝いをするそうで、ランク制限があるけど報酬が良いので選んだそうです。
「じゃあ、俺たちは現場に戻るな」
「ええ、宜しくお願いします」
「雇い主直々のお願いだ。頑張らないとな」
僕たちに見送られながら、ダンたちは風呂場に戻っていきました。
そして、僕たちと一緒に活動したのもあってか、フィーナさんとトリアさんがダンたちのことを尊敬の眼差して見ていました。




