散歩の五百九十三話 昨日の事件で王城に呼ばれる事に
翌日、僕達は何も予定がなかったのだけど、急遽王城に呼ばれました。
シロは会議に参加するけど、フラン達も王城についてくる事になりました。
ジェフちゃんが、フラン達と一緒に遊びたいって言っているそうです。
「「「着替え手伝って!」」」
「アヤがいるから、手伝って貰いなさい」
朝からそれなりの服に着替えているけど、またもや僕の部屋にシロたちが全員集まって着替えています。
しかも、手伝いがいるのに僕に手伝って貰いたいコールが止まりません。
思わずアヤがクスクスとしているよ。
結局ドレスを着せるのはアヤに手伝って貰ったけど、全員の髪型を作るのは僕とアオがやる事に。
出発ギリギリまで、駄々っ子達の髪をセットする事になりました。
「「「「お待たせー!」」」」
「ま、待たせたね……」
「シュンさん、ご苦労様です」
先に玄関に来ていたスーが苦笑しながら僕達を迎えてくれたけど、朝から疲労困憊な僕の苦笑いにも直ぐに気が付きました。
理由はいわずもがなだけど、念の為に四人に聞いてみよう。
「四人とも、ドレスアップする時はスーのところでやらないかい?」
「「「「やだー!」」」」
はいはい、分かっていますよ。
最初から分の悪い質問ですね。
では、今日はヴィクトリー男爵家の馬車に乗って王城に向かいましょう。
パカパカパカ。
「ジェフに、講師補助したって教えるんだ!」
「フランも教えるよ」
「ヴィヴィは講習聞いていたっていうよ」
フランたちは、主に冒険者活動の事をジェフちゃんに話すみたいですね。
話題はいっぱいあるから、話は尽きないでしょう。
こうしてあっという間にヴィクトリー男爵家から王城に着いた僕達は、アヤとアイの後をついて行くフラン達を見送ってから会議室に入りました。
「スー、シュン、忙しいところすまぬな」
「いえ、今回は私達も関わった事件ですので」
会議室に着くと、直ぐに陛下が僕とスーに声をかけてきた。
更に、軍の重鎮とヘーベル枢機卿を含む教会側の人たちもいた。
僕達が席に着くと、今度は王妃様が話しかけてきた。
「そうそう、スーに屋敷を下賜するのは二週間後に決定した。ヴィクトリー男爵家の新たな孫が生まれてからじゃから、お祝いを終えてからになるぞ」
「ご配慮頂き、感謝申し上げます」
「うむ。あと、おぬし等の講師ぶりが良いと、冒険者ギルドが言っておった。良い事じゃから、今後も公務の合間を縫って行うように」
王国としても、優秀な冒険者が増えるのは得策だと考えているようです。
あと、個人的にはスーに講師をやらせる事で、人の上に立つための練習をさせている気もします。
そんな事を考えていたら、王妃様がニヤリとしながら僕に話しかけてきた。
「そうそう、シュンには料理講習をして欲しいと言っていったのう。冒険者には料理下手な者が多いから、是非とも改善したいと言っておったぞ」
ふふふと王妃様が素敵な笑みを浮かべながらとんでもない事を言ってきたけど、それはわざわざ冒険者ギルドから王妃様に言うことじゃないと思うのですが。
僕は思わず苦笑いをしていたけど、心の中でゴーキさんに絶対に文句を言おうと誓っていた。




