散歩の五百八十九話 今後の話
子ども達のお腹が膨れたところで、改めて今後の話をする事にします。
子ども達も自分達の事を話すんだと何となく分かったのか、神妙な気持ちになっていた。
説明は、ヘーベル枢機卿が行います。
「まず、教会を代表して君達に謝らないとならない。孤児院で不憫な生活を強いて、本当に申し訳なかった」
「「「「えーっと……」」」」
いきなり子ども達の目の前で偉い人が頭を下げたから、子ども達は目をパチクリしたまま固まってしまった。
どうすればいいか、困惑しているみたいだ。
なので、ガンドフさんがヘーベル枢機卿の背中を軽く叩いて先に進ませた。
「君達からお金を奪おうとした教会関係者は捕まった。教会の司祭もだ。だから、君達からお金を取り上げる者はもういないよ。そして、孤児院にいた子どもは大教会にある孤児院に行くことになった。もちろん、君達もだよ」
「えっ、じゃあもう殴られたりしなくていいの? 冒険者で稼いだお金も取られなくていいの?」
「ああ、もちろんだ。もうなぐられる事もないし、冒険者として稼いだお金は君のものだよ」
捕まった教会関係者はとても気分屋で、機嫌が悪いと子どもを殴っていたという。
聖職者以前に、人として失格だと思うよ。
子ども達も状況が改善したので、かなりホッとしていた。
「この後薬草採取講座が開かれるから、しっかりと話を聞いて薬草を集めてみなさい。きっと、沢山の薬草を集める事ができるよ」
「「「わあ!」」」
ヘーベル枢機卿がニコリとしながら薬草採取講座の事を話すと、子ども達の表情もとても明るくなった。
そこで、シロが元気よく話し始めた。
「この後の薬草採取講習の講師は、シロとアオがやるんだよ。いつも沢山薬草を集めているんだよ!」
「じゃあ、小さい子にお土産を買えるかな?」
「とっても楽しみだね!」
シロのやる気満々の発言に、子ども達もワクワクしていました。
こうして明るい表情を見せるのは、とってもいい傾向ですね。
と、ここでガンドフさんが僕とスーに話しかけてきた。
「シュン、スー、悪いが講習が終わったら子ども達を大教会まで送ってくれ。こっちは、まだ捜査が続きそうなのでな」
「分かりました。ついでに、子ども達にお土産を買っていきます」
「寄付以外にも、美味しいものをあげるのも良さそうですわ。子ども達と共に、市場で品物を買ってから大教会に向かいますわ」
何にせよ、まずは無事に薬草採取講座を終えないとね。
ガンドフさんとヘーベル枢機卿は捜査の続きがあるので、早々に部屋を出ていきました。
「薬草はね、街の近くにも沢山生えているんだよ」
「門の近くでも、薬草は採れるんだよ」
「へえ、そうなんだ」
「遠出しなくてもいいんだ」
そしてシロ達は、子ども達に一足早く薬草採取について話をしていた。
ヴィヴィも薬草採取の経験が少ないから、ついでに講習を受けて貰いましょう。




