散歩の五百四十六話 うどんもどきを堪能します
甘味のお土産を買ったタイミングで、少し早いけど昼食にする事にしました。
僕たちは、お茶屋みたいな感じのお店に入りました。
「ここは、小麦のモチモチした麺にお出汁の効いたスープの麺料理が出てくるそうよ」
「「「「楽しみ!」」」」
スーがメニューを見ながらどんな料理が出てくるか教えてくれたけど、僕とアオはうどんに似た料理が出てくるんじゃないかなって思っています。
みんなうどんもどきの料理を頼んで、付け合せできのこたっぷりのスープも注文しました。
因みに、他の人の目もあったのでアヤとアイにも座ってもらっています。
そして待つこと二十分、出来上がった料理が出てきました。
「はい、お待ちどおさまでした」
「「「「美味しそう!」」」」
出てきたのは、やっぱりうどんもどきの料理です。
お箸っぽいものもついてきたけど、フラン、ホルン、ヴィヴィはフォークを選択していました。
ずずずっ。
「「「「おいしーい!」」」」
「お出汁も効いていて、麺もモチモチしていてとっても美味しいです」
うん、コシとかはまだまだだけど、かなり良い出来のうどんだ。
普段食べるパスタと食感が違うけど、シロ達にも高評価だ。
「スーは、箸も器用に使うね」
「たまに、物を掴むために使った事があるんです。最初は慣れるのに苦労しました」
スーは、器用に箸を使いながらうどんもどきを堪能していました。
しかし、箸の使い方も学ぶとはお嬢様は大変だなあ。
そんな事を思っていたら、シロが僕に話しかけてきました。
「ねーねー、シュンお兄ちゃんだったらどんなうどんを作る?」
「うーん、そうだな。自然薯を使った山かけうどんとか、せっかくきのこがあるからきのこうどんとかだな。肉うどんも良さそうだ」
「おおー、とっても美味しそうだよ!」
さっき八百屋っぽい店があったけど、この温泉街には沢山の野菜が売られていた。
食材が豊富だから、うどんもどきのアレンジも沢山できそうです。
そんな事を思っていたら、僕の方をキラキラとした目で見ている人たちが。
「シュンお兄ちゃんのうどんを食べてみたい!」
「「「食べたい!」」」
シロ達は、僕のアレンジ料理を食べたいとアピールしていました。
しかし、シロ達以外にも僕の料理を食べたい人が。
「シュンさんの料理は絶対に美味しいですから、私も是非食べてみたいです」
「かの有名な雷撃の料理人の料理ですか」
「きっと、私達の想像を超えたものが出てきそうです」
僕の料理を食べているスーだけでなく、アヤとアイも僕の料理に期待を寄せていました。
うん、これはうどんもどきの料理を作らないと絶対に暴動が起きそうだ。
僕とアオは、顔を見合わせて思わず苦笑してしまいました。
話をして、材料を買って別荘に戻ってから作る事にしました。
そして、うどんもどきは全員綺麗に完食しました。




