散歩の五百四十五話 みんなで買い物に行きます
温泉街への滞在も、残すところあと三日になりました。
ドラゴンの治療をしたりと怒涛の前半戦だったので、残り三日間はゆっくり過ごす事に。
「今日は温泉街に行きますよ」
「「「「おー!」」」」
スーの掛け声に、シロ達とアオが元気よく拳をあげていました。
せっかく温泉街に来たので、街をぶらりとする事にします。
因みに温泉街へは普通に貴族令嬢も立ち寄っているので、スーもドレスを着て王族の馬車で温泉街に向かいます。
ぱかぱかぱか。
「わあ、沢山の人が歩いているよ」
「お土産もいっぱいあるよ」
「街なかに大きな温泉があるよ」
「良い匂いがしている!」
皆が、馬車の窓から顔を覗かせて温泉街の様子を堪能しています。
土産物屋に美味しそうな店もあり、街の真ん中には温泉の源泉が流れていました。
多くの人が街を歩いていて、活気に溢れた温泉街だというのは直ぐに分かります。
まずは、温泉街の一角にある馬車置き場に馬車を停めて、街をぶらりと歩いていきます。
「あっ、とっても綺麗なガラス細工だよ!」
「本当ですわね。精巧にできていますわ」
「「「きれー!」」」
最初に目に止まったのは、綺麗なガラス細工を売っているお店だった。
切子みたいなグラスに、動物をモチーフにしたガラス細工、更にはアクセサリーみたいなものも売っていた。
とても綺麗にできていて、普通に調度品としても使えそうなものもあった。
「じゃあ、このお魚さんと亀さんを下さい」
「フランはドラゴン!」
「ホルンは鳥さんだよ」
「えっと、ヴィヴィはお馬さん」
「はい、畏まりました」
シロ達は、さっそく気に入った物を購入していきます。
スーは、ガラスの大皿と綺麗なグラスを見ています。
さて、僕はどれにしようかな。
あっ、これが良いな。
「すみません、このガラスの花瓶を三つ下さい」
花を生けるのにもちょうど良さそうな花瓶があったので、それを購入しました。
色合いもとても良いので、飾るだけでも良いですね。
ガラス細工の土産物屋の次は、甘味もののお土産屋です。
ここで、女性陣が一気に動きました。
「えっと、これとこれとこれと」
「スーザン殿下、来客用にこれは如何でしょうか?」
「こちらも良いと思われます」
「とても良いですわね。少し多めに購入しましょう」
うちの女性陣は、本当に甘いものが大好きだなあ。
次々と購入していくので、店員もホクホク顔でうちの女性陣に接客しています。
僕は、アオを抱いたまま買い物が止まらない女性陣を暫く眺めていました。
「あっ、おまんじゅうもあるよ!」
「味が違うんだ!」
「全種類欲しいな」
「買っちゃおう!」
もちろんシロ達も、おまんじゅうとかを購入していきました。
結局、甘味のお土産屋ではガラス細工のお土産屋の倍以上滞在していました。




