散歩の五十二話 ゴブリンジェネラルを倒せ!
「「グォー!」」
「ちっ、ここに来てゴブリンジェネラルかよ。しかも二匹もいやがる」
森の中から一際大きいゴブリンが二匹、更にゴブリンの軍勢を率いて現れた。
でっかい槍を持っていて、こちらを威嚇してくる。
ひ弱なゴブリンとは違って、屈強な体をしているぞ。
「シロ、アオ。ゴブリンジェネラルをやるぞ。その他の者は、確実にゴブリンを倒す様に」
「「「はい!」」」
ギルドマスターは、普通の兵や他の人ではゴブリンジェネラルの相手は無理だと判断した。
先ずは僕達で確実にゴブリンを減らしていく事にする。
「牽制の意味も含めて、広域魔法を撃ち込みます」
「シュン、やったれ!」
「「「ギャー!」」」
「「グォー」」
僕は、ゴブリンジェネラルを含めて風魔法を広範囲に撃ち込んだ。
流石にゴブリンジェネラルには効かなかったけど、多くのゴブリンを倒す事が出来た。
多くのゴブリンが倒れた事で、ゴブリンジェネラルは怒りを露わにしてギルドマスターとシロとアオに襲いかかってきた。
「この程度のスピードでは、私は倒せないぞ」
「へへーんだ、こっちにおいで!」
「「グォー、グォー!」」
ギルドマスターとシロとアオは、頭に血が昇っているゴブリンジェネラルを上手く引き離してくれた。
挑発されたからか、ゴブリンジェネラルは更に怒りを露わにしているぞ。
「よっしゃ、一気に他のゴブリンを倒すぞ」
「「「おー」」」
この隙を突いて、残りのゴブリンを一気に殲滅していく。
ゴブリンジェネラルがゴブリンから離れた事もあって、ゴブリンは混乱していていて、あっという間に倒す事が出来た。
残るはゴブリンジェネラル二匹だけだ。
「補助します。バインドで動きを止めます」
「「グギャア!」」
僕はアースバインドでゴブリンジェネラルの足を止める。
ゴブリンジェネラルは抜け出そうともがくが、中々拘束から抜け出す事が出来ない。
「シュン、良い拘束魔法だ。一気に畳みかけるぞ」
「おー!」
この瞬間を逃さないギルドマスターとシロとアオではない。
一気に身体強化をしてゴブリンジェネラルに接近した。
「はあああ、せい!」
「グギャアー!」
ギルドマスターの強烈な突きが、ゴブリンジェネラルの腹に炸裂する。
どうも体の内部にダメージを与える突きらしく、ゴブリンジェネラルの背中にも衝撃波が抜けていった。
この攻撃にゴブリンジェネラルが耐えられるはずもなく、断末魔を叫び吐血をしながら仰向けに倒れていった。
「とりゃー!」
「グフッ……」
シロとアオはと言うと、高く跳躍してゴブリンジェネラルの脳天に踵落としを決めていた。
アオは体当たりになるのかな。
頭が凹むほどの踵落としを食らったゴブリンジェネラルが無事なはずはなく、小さな呻き声を上げて崩れていった。
これで全てのゴブリンを倒したのだが、全員警戒を解かない。
そう、森の中からあの二人を叩いた女性が出てきたのだ。