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散歩の五十一話 突然の襲撃

 しかし、事態は急激に動く事になる。

 まだ、夜も明けきらない早朝の事だった。


「お兄ちゃん、シュンお兄ちゃん。お外の様子が変なの」

「うーん。外?」


 シロとアオが、寝袋に入っている僕の事を揺すって起こしてくる。

 どうも村の外がおかしいと言うのだが、寝ぼけながらも探索を使うと一気に目が覚めた。


「大変だ。村に大量のゴブリンが押し寄せている」

「「「何!」」」

「ゴブリンが押し寄せてきているぞ。その数五百以上!」


 僕の叫びと共に、外の監視にいた兵が飛び込んできた。

 皆も慌てて準備して、建物の外に出て行く。


「「「ギシャー!」」」


 すると、村の外だけでなく村の中にもゴブリンが現れていた。

 直ぐに村の中に現れたゴブリンを討伐しつつ、柵の方に向かっていく。

 幸いにも柵は壊れていないが、兵が怪我して倒れている。


「戦線を押し戻すぞ。倒れている兵を下がらせて治療を」

「はい!」


 ギルドマスターの指示によって、前衛と後衛に分かれて対応を開始する。


「えーい!」

「「「グギャア!」」」


 僕とアオで魔法を乱舞し、道を作る。


「おりゃー!」

「邪魔だ、どきやがれ!」


 出来たスペースにすかさず前衛陣が入り込み、ゴブリンを倒していく。


「怪我していた人を連れてきたよ」

「ありがとう、シロちゃん。直ぐに治療をするね」


 そして、怪我した兵をシロが連れてきてスーが直ぐに治療をする。

 すると、ここにいるはずのない人物がシロに連れられてきた。


「おい、何でお前がいる!」

(ガクガクブルブル……)

「駄目だ、話が出来る状態じゃない」


 そう、ここにいるはずのないバクアク伯爵家の三男が震えて縮こまっていた。

 こちらが話しても首を振るばかりで、まともに会話が出来ない。

 そして、いつも一緒にいるはずの派手な格好をした魔法使いの女がいないぞ。


「どうせ手柄を立てようと、何処からゴブリンの事を聞きつけて倒しに行ったのだろう。目の前の事に注力だ!」


 元々戦力としても計算出来ないので、バクアク伯爵の三男は回復した兵の監視の下で震えていて貰おう。


「ちっ、中々数が減らねえな」

「ゴブリンロードだけでなく、ゴブリンナイトもいやがるぞ」

「陣形を崩すな。このままの調子で対処をしていけば良い」


 幸いにして、ゴブリンは一箇所から攻めてきているので、戦力を分散しないで済んでいる。

 ゴブリンの上位種も混じっているが、基本的な倒し方は変わらない。


「グギャア!」

「えーい」

「ありがとう、嬢ちゃん」


 シロとアオが前線にいる兵や冒険者を目掛けて放たれた魔法を、魔法障壁を使って防いでいく。

 二人の魔法障壁は硬いから、そう簡単に破られる事はない。


「はい、これで良いですよ」

「助かった。優秀な後衛がいるから、この戦力でもどうにかなりそうだ」


 もちろん後衛陣も怪我人の治療で大忙し。

 しかし、スーともう一人の治癒師は腕が上がっているので、直ぐに治療して怪我した人を前線に戻している。


「後方のゴブリンに向けて魔法を放ちます」

「シュン、やっちまえ!」


 僕は前衛と後衛の間に立って、一緒に来ていた魔法兵と共に魔法攻撃を仕掛ける。

 皆の奮闘の甲斐もあってか、一時間後にはゴブリンも大幅に数を減らしてきた。

 このまま押し切れる、そう思った時に真打が現れた。

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