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散歩の四百六十九話 二週間やる事が決定

 僕達は屋敷に戻り、再び応接室に向かいました。

 紅茶を一口飲んでから、王太子殿下が話し始めました。


「トーリーは二、三日こちらに残るが、私はもうそろそろ王都に戻る予定だ。恐らく、ギルドマスター達も昼過ぎには王都に向けてブローカー伯爵領を出発するだろう」

「朝到着して直ぐに帰るなんて、本当に大変ですね」

「国を預かる者として、このくらいは大した事はないよ。それに、王都から日帰りで訪れられる距離ってのもある」


 本当に忙しい人だなって思いながら、僕は王太子殿下の話を聞いていました。

 恐らく、馬車の中でも通信用魔導具を使ってあれこれ指示を出しているんだろう。


「スーとシュンは、二週間はブローカー伯爵家に滞在してくれ。アマンダの調子が良くなったら、王都に帰ってきても良いぞ」

「お兄様、ありがとうございます。でも、アマンダさんが治るまでしっかりと治療します」


 現在のアマンダさんの病状は、まだまだ予断を許さない状況です。

 なので、予定通り二週間は治療した方が良いでしょう。


「違法奴隷の子はどうしますか? 王都に連れていくのでしょうか?」

「子ども達は、アマンダに懐いている。それに体の調子を整えないとならないから、当分はブローカー伯爵領に留まらないとならない。勿論、シュンの娘はシュン達と行動する事になるだろう」


 くそー、ヴィヴィの事で王太子殿下まで僕の事をからかっているぞ。

 スーも、僕の横でくすくすと笑っている。

 王都に行っても、絶対に他の人からも何か言われそうだ。


「とりあえずは、こんなものだな。シュン達も昨日から忙しくしていたのだから、少しゆっくりとすると良い」

「そうします。シロ達の所に行って、子ども達がどうしてるか見てみます」

「子ども達の様子が分かりましたら、お兄様に連絡します」


 王太子殿下も、帰り支度があるので早めに食事を取るそうです。

 僕達は、応接室からシロ達のいる部屋に向かいました。


 ガチャ。


「あっ、シュンお兄ちゃんとスーお姉ちゃんだ!」

「「「おかえりー!」」」


 ぽす。


「わっ。ふふ、ただいま。良い子にしていたかな?」

「「「「うん!」」」」


 部屋に入ると、直ぐにシロ達が抱きついてきた。

 部屋を見回すと、何故かこたつが置かれていてその上に勉強道具が置いてあった。


「皆と本を読んだりしていたんだよ。文字の書き方も教えていたの」

「そうか、それは頑張ったね」

「えへへ」


 現在ブローカー伯爵家にいる保護された子どもは、ヴィヴィを除くと全部で六名。

 その内、シロに年齢が近い獣人の男の子とエルフの女の子は、文字は読めるけど書けなかった。

 他の子はフランとホルンの年齢に近いけど、文字を読むのも大変だった。


「スー、体力回復も必要だし、暫くは勉強を教えた方が良さそうだね」

「そうですね。体力が回復するまではヴィヴィも冒険者活動も厳しそうですし、ちょうど良い機会かと思います」


 二週間で僕達のやる事が決まったし、一安心です。

 さてさて、僕はある物を作りましょうか。

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