散歩の四百六十話 後始末を始めます
ブローカー伯爵夫妻に嫡男、執事が連行されたので、残作業の対応をしないと。
「まずは、アマンダさんをベッドに寝かせないと。アマンダさんの部屋はあるんですよね?」
「はい、ございます。常に綺麗にしておりましたので、このままベッドまでお連れします」
僕達の応対をしてくれている年配の侍従が、率先してアマンダさんの対応を指示していた。
恐らくだけど、アマンダさんは家人にもとても優しくしていたのだろう。
意識が戻らない状態ではアマンダさんと話ができないので、これからの事は明日対応です。
さて、今度は違法奴隷の件ですね。
ぐるるる。
「お腹すいたよ……」
「まだ、何も食べてないの……」
違法奴隷の子は全員で七名で、全てが希少種といわれる種族の子どもでした。
未だにシロに抱きついている悪魔族の子が一番年下で、十歳くらいの子もいるぞ。
全員がお腹を空かせていたので、食堂に移動して食事にします。
移動する前にっと。
きらーん。
「わあ、魔法だ!」
「凄いな!」
生活魔法で、全員の体を綺麗にします。
ずっと地下に閉じ込められていたので、体が汚れていました。
子ども達は、僕の生活魔法を見てビックリしていました。
「わあ、とっても美味しそうです!」
「うん、美味しいよ!」
「慌てないで、ゆっくりと食べましょうね」
お腹が空いていた子どもは、凄い勢いで食事を食べ始めました。
よっぽど、お腹が空いていたのだろうな。
スーが声をかけても、気にせずに勢いよく食べています。
「はい、あーんだよ」
「あーん、もぐもぐ。おいし−!」
「良かったね」
「いっぱい食べてね」
シロに懐いていた悪魔族の子は、シロにご飯を食べさせて貰っています。
フランとホルンも、子ども達に声をかけていました。
ここは、取り敢えず大丈夫ね。
「客室は用意できるかしら? 違法奴隷の子達の部屋と、私達の部屋ね。そうね、五部屋になるかしら」
「はい、ご用意できます。直ぐにでも、宿泊可能です」
「ありがとう。子ども達は、二部屋に分けた方が良いですね」
アリサ様が、子ども達の部屋割りを決めてくれた。
更にアリサ様達が屋敷に泊まってくれるので、何かあった際には対応してくれるそうです。
「屋敷は、今日はこんな感じね。明日軍が来たら、これからの事を話しましょう」
「はい、僕達も朝早く屋敷に来ます」
「そうしてくれると助かるわ」
僕達は宿を取っているので、そっちに泊まります。
さて、ムホウ商会の方はどうなったのだろうか?
「ゴーキ君がいるとはいえ、流石に様子を見に行かないとなりませんね」
「うちも馬が行っているので、様子を見に行きます」
という事で、僕とクエーサーさんでムホウ商会の様子を見に行く事になりました。
主に、ゴーキさんと馬がやりすぎていないかの確認です。
「こちらは任せて下さい。気をつけて行ってきて下さいね」
「子ども達の服を用意しないとならないし、ここは女性がいた方が良いわ」
流石はアリサ様、子ども達の服がボロボロなので色々と手をうってくれるそうです。
更に、アオも残って子ども達の体調を確認してくれるそうです。
屋敷はスーとアリサ様に任せて、僕とクエーサーさんはムホウ商会に向かいました。




