散歩の四百五十二話 怪しい情報
パカパカパカ。
馬車をゆっくりと進めながら、どんな宿が良いかなと探しています。
「そもそも、馬も泊められる宿じゃないといけないもんな」
「それは大丈夫かと。馬で旅をする人向けに厩舎付きの宿も多くありますわ」
スーの言う通り、確かにどの宿も馬向けのスペースがあった。
馬車が停められるかどうかもあるけど、僕達は馬車をアイテムボックスにしまうから特に関係ありません。
「「「あそこがいいよ!」」」
「雰囲気の良い宿ですね」
と、ここでシロ達の勘が働き、家庭的な宿に向かう事に。
さてさて、どんな宿かな?
僕達は、宿の前に馬車を停めて宿の中に入りました。
「「「こんにちは!」」」
「おやまあ、元気なお客さんだね」
宿の中に入ると、恰幅の良いおばさんが僕達を出迎えてくれた。
宿の中も清潔で、とっても良い雰囲気です。
「あの、二部屋お願いしたいのですが。まずは一週間お願いします。あと、馬を二頭お願いします」
「あいよ、隣同士の部屋ね。馬も大丈夫だよ。夕食はつくけど、風呂はないからね」
「「「はーい」」」
タイミング良く二部屋空いていたので、そのままお願いする事に。
鍵を受け取って、部屋に向かいます。
「ほら、二階の部屋だよ。二段ベッドになっているからね」
「「「わーい」」」
二階の日当たりの良い部屋で、掃除も良くされています。
この宿は当たりですね。
宿のおばさんも良い人みたいだし、ちょっと話を聞いてみよう。
「僕達この後冒険者ギルドに行くんですけど、この街はどんな依頼が多いですか?」
「うーん、特に変わった事はないと思うよ。あっ、最近ムホウ商会からの依頼が多いって聞くよ」
おばさんの発言に、僕とスーは思わず顔を見合わせてしまった。
ムホウ商会って、もしかしてあのムホウ商会の事じゃないかな?
「じゃあ、私はフロントに戻るから。馬も預かっておくよ」
「「「ありがとー」」」
何とか平然を装いながら、僕達はおばさんを見送りました。
そして、部屋の一室に皆で入って話をする事に。
「ムホウ商会って、どう考えてもあのムホウ商会だよな?」
「ええ、そうかと。違法奴隷の話も出ているので、関連性は高そうです」
僕とスーは、少しビックリしながら話をしていました。
東の辺境伯領で、違法奴隷を扱っていた奴隷商と同じ名前だ。
そこにフランもホルンもいて、酷い扱いを受けていたんだよなあ。
スーは、直ぐに通信用魔導具でムホウ商会の事を各所に連絡していた。
「よし、冒険者ギルドに行こう。できれば、ムホウ商会の場所も確認しよう」
「「「おー!」」」
ブローカー伯爵領に着いて、ひとまずの目的地がハッキリとした。
後は、冒険者ギルドでどんな依頼が多いかを確認しよう。




