散歩の四百五十一話 何とかブローカー伯爵領に到着です
仕方ない、こういう時は助けを呼ぼう。
「スー、ガンドフ様に連絡を取ってくれる? コイツラの話を聞くと、ブローカー伯爵領の兵に引き渡すのは良くないと思うんだ」
「そうですね。明らかにブローカー伯爵と繋がっている素振りも見せていましたし、違法奴隷という気になるキーワードもありました」
早速スーが連絡をしてくれると、王都郊外の駐屯地から一時間程で軍が来る事になった。
その間、コイツラは拘束して動けない様にしておかないと。
「シロ、フラン、ホルン、少し休憩だ。この間に、馬の手入れもやろう」
「「「頑張るよ!」」」
良いタイミングなので、シロ達で出来る馬の世話をお願いした。
馬も僕達の話が分かっているので、捕まえた盗賊を監視しつつ飼い葉を食べていたりしていた。
「ついでに、お父様に連絡しておきますわ。お父様、こういう非道な事が大嫌いなので」
「アリサ様にも連絡しておこう。もしかしたら、怪しい運搬系の依頼がブローカー伯爵宛に起きているかもしれない」
という事で、軍が来る一時間の間は結構やる事があり、中々忙しかった。
因みに盗賊がギャーギャーうるさかったので、アオの電撃で黙って貰います。
ドドドドド。
「あっ、いっぱい来たよ!」
そして一時間後、護送用の馬車を引き連れてトーリー様がやってきた。
いきなり師団長クラスのお出ましですか。
「トーリー様、お忙しいところ申し訳ありません」
「いやいや、シュン達こそブローカー伯爵領に付く前なのに大変だったな。違法奴隷は大罪だ。逆を言えば、ブローカー伯爵家を責める口実になる」
ブローカー伯爵家は、今はあくまでも怪しいというだけだった。
ところが、違法奴隷というカードが手に入ったので、軍としても対応しやすくなる。
「コイツラは重犯罪者牢に入れて、徹底的に調べるとする。シュン達も何か情報が得たら、些細な事でも連絡してくれ」
トーリー様は、あっという間に盗賊を護送用の馬車に乗せて王都に戻っていった。
「おー、速いね!」
「動く時は素早く動く。軍の基本だよ」
あまりの行動の速さに、シロ達もビックリしていました。
僕達も休憩は十分に取れたので、再度ブローカー伯爵領へ再出発します。
パカパカパカ。
「あっ、街並みが見えてきたよ!」
そして予定通り、再出発から程なくしてブローカー伯爵領に到着しました。
街並みは普通って感じで、人族も獣人も亜人も普通に歩いていた。
パカパカパカ。
「まだ時間もあるし、宿を見つけて冒険者ギルドに行こう」
「そうですね。何か、依頼に特徴があるかもしれないですね」
僕達は、馬車も置ける宿を探す為に街中を進みます。
市場で売っている物も、特に値段が高い訳じゃないなあ。
 




