散歩の四百四十八話 今日の薬草採取の成果は?
昼食後も頑張って薬草を集めると、一時間もしない内にかなりの量の薬草が採れました。
「これだけ集められれば十分ですね。冒険者ギルドに戻りましょう」
「「「はい!」」」
リアーナさん達も、満足そうにスーに返事をしていました。
初めての薬草採取で、これだけ採れればかなり良いですね。
おっと、馬車に乗る前に皆を生活魔法で綺麗にしないと。
いつも森で薬草採取をすると、シロ達は服を汚してくるからなあ。
「じゃあ、生活魔法で綺麗にするよ」
「「「はーい」」」
シュイーン。
「えっ、私達まで綺麗になりましたよ」
「生活魔法って、一人一人にかけるものではないのでしょうか?」
「シュン様のパーティといると、常識が崩れますわ」
いつもの感覚で全員纏めて生活魔法をかけると、リアーナさん達がとっても驚いていた。
うーん、生活魔法って別に一人一人にかけなくても良い気がするけどなあ。
「シュンさん、シュンさんの魔法は規格外なので、初心者向けではないんですよ」
「「「うんうん」」」
スーからも、色々と言われてしまった。
うん、気にしない事にしよう。
僕達は馬車に乗り込み、早速こたつに入りました。
因みに、帰りの御者はアオがするそうです。
パカパカパカ。
「スライムが御者をするなんて、本当にこのパーティは凄いですね」
「別に、誰も御者をしなくてもお馬さんなら冒険者ギルドに帰れるって」
「それはそれで凄いですね……」
すっかり皆仲良くなって、リアーナさんとシロが果物を食べながら話をしていました。
まあ、このパーティには、ある意味常識がないからなあ。
因みに、門兵も昨日のブリーダー侯爵家への捜索に参加していた人で、アオが御者をしていても何も驚いていませんでした。
他の門兵は、かなり驚いていたけどね。
そして、驚いた事はまだまだありました。
「あいよ、薬草採取の報酬だ」
ドーン。
「「「えっ、こんなに?」」」
薬草採取は、数で補えばかなりの取引金額になる。
なので、職員が僕達に出した報酬は何も問題はない。
しかし、初心者冒険者のリアーナさん達には、かなりの衝撃を与えたみたいだ。
「薬草はとにかく不足している。冬に向かえば尚更だ。需要と供給が一致していないのもあって、数を集めればそれなりの報酬になるぞ」
職員がビックリしたままのリアーナさん達に説明をしていたけど、冬になって風邪をひく人も増えるからポーションの需要は更に増えるだろう。
周囲の警戒や動物や魔物への対応もあるから、薬草採取は冒険者の勉強をするのにうってつけなんだよね。
「初めての薬草採取にしては、良い結果になりましたね」
「はい、皆さんが色々と教えてくれた結果です。お金を稼ぐ大切さを知りました」
最初はビックリしていたリアーナさんだったけど、段々と落ち着いてスーにニコリとして返事をしていた。
何だかんだいって、自分でお金を稼いだのはとっても嬉しいよね。




