散歩の四百四十七話 皆で薬草採集をします
パカパカパカ。
馬車は無事に王都の門を通過して、三十分ほど走りました。
「この辺りの森で、薬草が沢山採れますよ」
「周囲には、特に危険はありませんね」
スーのお勧めの場所は、王都近郊の街道沿いにある小さな森でした。
街道を歩く人や馬車も通過する場所だけど、探索魔法を使っても周囲に危険は全くありません。
馬を馬車から切り離して、餌や水を与えます。
馬も、自由になっても普通に僕達の周りにいて草を食べています。
「じゃあ、シロがリアーナお姉ちゃんに薬草の採り方を教えてあげるよ!」
「フランも教えるよ!」
「ホルンも」
「ふふ、宜しくお願いしますね」
早速シロ達が、リアーナさん達の手を引いて森の入口で薬草を採り始めた。
スーもアオも薬草採取に加わったので、僕が周囲の警戒を行おう。
「「ブルル」」
「おっと、そうだな。お前らもいたな。一緒によろしくな」
「「ブルル」」
馬も任せろって気合十分なので、一緒に警戒してくれます。
この布陣で、薬草採取を開始します。
ガサガサガサ。
「あっ、アオちゃん凄いわ。こんなにも沢山の薬草を集めたんだね」
「ぐぬぬぬぬ、シロもアオに負けないもんね」
「「負けないもん!」」
うん、どっかで見た光景だけどアオがあっという間に薬草を沢山集めてリアーナさんに見せていた。
やはりというか、シロ達はムキになって薬草を集め始めた。
こうなると、リアーナさんに薬草の採り方を教えるのはアオとスーの役目になりそうですね。
さてと、相変わらず周囲に異常はなさそうなので、僕は昼食の準備をしよう。
どうせなら、ちょっと贅沢な料理を作ろうっと。
トントントントン、トントントントン。
「シュンさん、何を作っているんですか?」
「ちょっとしたコース料理を作ろうかなって。前菜に主菜できて、肉料理で〆ようかなと」
「まさか、薬草採取に来てコース料理を食べられると思いませんわ……」
公爵家の令嬢もいるし、材料も沢山ある。
折角だから、贅沢な料理も良いでしょう。
こうして、ちょっとした料理が完成です。
「凄い、まさか冒険者活動をしながらこの様な食事が食べられるとは」
「てっきり、固いパンと干し肉を食べるものだと思っていました」
「常に保存食を食べているのだと。常識が崩れていきます」
「「「もぐもぐもぐ」」」
どうやらリアーナさん達にも、作った料理は好評みたいです。
僕としては、まだ小さいシロ達の栄養を考えた食事にしているんだけどね。
「シュンさん、貴族が旅行に行くときもこんな料理は出てきませんよ。ちょっと、凄すぎます」
「僕としては、美味しく食べて貰えればそれで良いんだけどね」
「ふふ、シュンさんらしいですね」
スーも料理を楽しんで貰えたみたいですね。
こうして昼食を食べ終えたら、また皆で薬草採取を再開しました。




