散歩の四百四十二話 冒険者ギルド内を案内してもらいます
話はこれで終わったので、王都の冒険者ギルドを案内して貰える事になりました。
「私は仕事があるので、ここで失礼するよ。また会おう」
「「「ばいばーい」」」
クエーサーさんは仕事があるので、ここでお別れです。
アリサ様とゴーキさんが、僕達を案内してくれます。
「四階から二階は、王都冒険者ギルド関連の施設や会議室が多いな。五階は、王国内の冒険者ギルド関連の職員と会議室があるぞ」
「王都の冒険者ギルドには、個別依頼に対応する部屋もあるわ。恐らく、シュン達も直ぐに使う事になるわね」
とにかく、王都の冒険者ギルドはとても大きくて、多くの職員が忙しく働いています。
受付にいる冒険者も多くの種族がいて、まさに王都って感じですね。
そのまま、一階に移動します。
ざわざわざわ。
「「「おおー、すごーい。人がいっぱーい!」」」
「王都は沢山の人がいるから、冒険者も必然的に多いのよ」
一階フロアには、数多くの冒険者が集まっていてざわざわしていた。
若干獣人が多いかなと思いつつ、人族も他の種族も沢山います。
「はは、元気がある連中だな。とにかく王都は依頼が多い。色々な依頼があるから、初心者からベテランまで色々な奴が集まってくる。まあ依頼があっても、金が稼げるかはそいつ次第だがな」
思った以上に、ゴーキさんは腕を組んで厳しい眼差しで冒険者を見ていた。
恐らく、ゴーキさん本人も冒険者の時に苦労をしたのだろう。
すると僕達の目の前で、酔っ払っている中年男性が若い女性グループに絡み始めました。
「へへへ。ねーちゃんよ、ひっく、俺達とやらねーか?」
「うっく。ははは、手取り足取り腰取り教えてやるぞ」
「「あはははは!」」
「「「やめて下さい……」」」
うん、こいつ等は全員成敗で良いだろう。
無理矢理女性の手を取って引っ張ったり、キスをするかの様に顔を近づけているぞ。
「久々に見た馬鹿だな。こういうのは大嫌いだぞ」
「手加減不要でしょう。風紀を乱す馬鹿に制裁加えないとね」
あーあ、酔っぱらいが二人のギルドマスターを完全に怒らせちゃったよ。
二人とも、拳をぽきぽきと鳴らしながら酔っぱらいの方に歩いていったぞ。
「ああいう人は、私も嫌いです!」
「助けてあげないとね」
「「おー!」」
スーやシロ達も、ちょっと怒りながら酔っぱらいに近づいて行きます。
でも、スーよ。
あなたが酔っ払っても、かなり酷い絡みだと思うぞ。
ちょんちょん。
「「おい」」
「ああ? 俺は忙し……」
そして、ゴーキさんだけでなくアリサ様までドスの利いた迫力のある声を酔っ払いにかけていた。
酔っ払いは、主に超激怒しているゴーキ様を見て固まってしまった。
ざわざわざわ。
「おい、あの馬鹿ギルドマスターに絡んだぞ」
「ギルドマスター、馬鹿騒ぎが大嫌いだからな」
「あの女性も、南の辺境伯領の冒険者ギルドマスターのはずだよ」
「あの人も、風紀を乱すのを嫌うはずだよな」
そして酔っ払いは、周りの人のざわめきによって喧嘩を売ってしまった相手の正体を知ったみたいです。
あっという間に顔面蒼白に変わったが、それで二人のギルドマスターが許すはずもありません。
ひょい、ブォン。
ひょい、ブォン。
「「「「ギャー!」」」」
「「ふん!」」
そして酔っ払いはゴーキさんとアリサ様によって簡単にぶん投げられて、待ち構えていた職員にキャッチされて拘束されました。
ずるずると引きずられて行ったけど、反省部屋行きは確実ですね。




