散歩の四百四十一話 更に追加の同行者が決定しました
「昨日も王都で馬鹿騒ぎをして捕まった貴族がいたが、俺等からしても本当に迷惑だ。余計な仕事ばかり増やしやがって、本来の仕事ができない」
ゴーキさんの言う通り、冒険者活動したくても闇組織の妨害でキチンとした仕事が出来ない事もある。
僕達も、闇組織のせいでキチンとした仕事が出来なかった事が多々あったよね。
「因みに、アリサ君がブローカー伯爵家に行く際には、私とゴーキ君も同行する事になりました。ふふ、私達にも不良品を卸していたのですよ」
「くそ、楽しみにしていた肉が全然違う産地の物を届けてきやがった。キッチリと話さないとならないな」
うわあ、ゴーキさんが恨みタラタラの表情をしているよ。
食べ物の恨みは凄いっていうし、何よりも敵にした面子が凄すぎる。
ブローカー伯爵、生きて捕らえられるかな……
「後は、シュン君達は貴族になるのは確定ですが、ある程度自由は与えられるでしょう。今まで通りに各地を訪れて、各地の問題を解決する役割を与えられると思いますよ」
「シュン達が各地の馬鹿を押さえてくれるから、俺達は存分に王都で暴れられる。闇組織に人神教に、一泡吹かせないとな」
恐らくこの辺の話は、陛下と話をしてありそうだ。
あの陛下なら、手回しとかはしていそうだぞ。
ともあれ、僕達に面倒くさい王都の仕事はなさそうです。
「まずは、あの馬鹿を捕まえて新年を無事に迎えられる事に専念するべきね。新年の辺境伯会議には旦那も出るし、良い話にしたいわ」
アリサ様まで、ブローカー伯爵を馬鹿扱いしているよ。
ともあれ、当初の予定はあっという間に終わっちゃった。
「皆様の冒険者カードの更新が完了しました。また、依頼料の未払い分をお持ちしました」
「「「わーい!」」」
ここで、悪魔族の秘書さんが、手続きの終えた冒険者カードを持ってきてくれた。
いや、冒険者カードは分かるけど、お金の入った革袋の量が半端ないんですが。
テーブルの上にどーんと積み上がっていて、僕だけでなくスーもビックリしていた。
「辺境伯家や王家が絡んでいる依頼なんだ、このくらいは当然だろう。これから、更に金は増えていくぞ」
「でも、これだけのお金をどうすれば良いか分からないですよ。当分は、アイテムボックスに死蔵する事になりそうです」
「屋敷でも買えば良いだろう。まあ、今年は無理でも、来年には拠点となる屋敷を構えた方が良いだろうな。ブローカー侯爵の屋敷が空くんだから、どうせならそこが良いだろう」
いやいやいや、ブローカー侯爵の屋敷はとても広いですし、流石に今あるお金では買えないですよ。
僕とスーは、顔を見合わせて溜息をついちゃいました。