散歩の四百三十四話 ガールズトーク
パカパカパカ。
僕達は、朝乗ってきた馬車に乗って屋敷に帰ります。
ガンドフ様は、後で騎士団の馬車で帰って来るそうです。
「はあ、流石に疲れたよ……」
「色々とありましたから。昼食まで休んでいた方が良いかと」
「シロはまだまだ元気だよ!」
シロは元気いっぱいだとアピールするけど、僕とスーは会議とかで精神的にも疲れちゃったんですよ。
幸いにして昼食まで少し時間があるので、ここはゆっくりと休ませて貰おう。
「お帰りなさい。大変だったみたいね」
「お義姉様、ただいま戻りました。かなり大規模な戦闘でしたので」
「そうね、この屋敷まで大きな音が聞こえて来たわ。昼食までゆっくりとしていた方が良さそうね」
僕達を出迎えてくれたセーラさんも、僕達の事を労ってくれました。
ブローカー侯爵家からヴィクトリー男爵家までは距離はあるとはいえ同じ貴族街なので、戦闘時の音は十分に聞こえるだろう。
僕とスーは、セーラさんの言葉に甘えて部屋で休む事にしました。
「フランはお庭で追いかけっこする!」
「ホルンも!」
「じゃあ、シロも一緒だよ」
「ふふふ、子ども達は本当に元気ね」
シロ達の元気な声に、セーラさんもニコリとしていました。
シロ達にはアオもいるし、きっと大丈夫ですね。
という事で、おやすみなさい。
「スー、お客様が来ているわ。シュンさん達も来て下さい」
昼食を食べて一休みしていると、セーラさんが声をかけてきた。
一体誰だろうって思いながら、皆で応接室に移動します。
「「あっ、お姉ちゃんだ!」」
「今日も二人は元気ね」
「皆様もお久しぶりです」
応接室にいたのは、ケーシーさんとテルマさんだった。
二人とも貴族令嬢に相応しい綺麗なドレスを着ていて、軽く化粧もしていた。
よく考えたら、ご近所さんなんだよね。
「急に大きな音が聞こえてきて、更にブローカー侯爵家に軍が突入したと聞いたの」
「これは絶対にスーが絡んでいると思って、頃合いを見て屋敷に来てみたんです」
うん、二人ともとても良い勘ですね。
ブローカー侯爵家が貴族主義の一大派閥なのは貴族の間なら周知の事実だし、知り合いならそこで何かあるなら僕達が絡んでいると思うでしょうね。
「ブローカー侯爵は捕縛したわ。でも、まだ闇組織の幹部が残っているのよ」
「あー、分かるわ。西の辺境伯領の時にもあの人がいたもんね」
「南の辺境伯領の時にも闇組織の幹部がいたそうだし、まだまだ誰かいそうね」
「そうなのよ。今日も闇組織の関係者と対峙していたのよ。しかも、失礼な事を言ってきたわ」
「「えー、なにそれー」」
そして、いつの間にかガールズトークが始まった。
三人とも闇組織関連で物凄く迷惑をかけられたから、愚痴が全く止まりません。
うん、僕がガールズトークに入る余地はないですね。
「「「もぐもぐ」」」
シロ達もお菓子を食べるのに夢中だけど、今回は僕もお菓子を食べていよう。




