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散歩の四百二十五話 主犯を捕まえる為の作戦

「ははは、二人とも仲が良いな。では、会議を始めるとするか」


 僕とスーだけ微妙な感じだけど、陛下の言葉で会議はスタートしました。

 早速、役人と思わしき人物が話し始めました。


「現在人神教と直接繋がりの確認された貴族家は、全部で十二家にのぼります。その内、当主もしくはその家の者が拘束された貴族家は十一家になります。残りはブローカー侯爵家の一家のみとなります」

「ブローカー侯爵家に関しては闇組織の幹部が嫡男の教育を行っており、更に人神教への出資も確認されました。これは、王都の人神教関連施設を捜索した際に発覚しております。また、違法奴隷を購入していた形跡もありました」

「うむ、ご苦労。あのハゲタヌキは自身は灰色だと言っておったが、これでは真っ黒ではないか」


 うわあ、今まで各地であった闇組織と人神教関連の事件が丸ごと凝縮されているじゃないですか。

 勿論スーの護衛をすり替えた件もあるし、この時点でブローカー侯爵に弁解の余地は無いぞ。


「更に調査を進めた結果、ブローカー侯爵派は人事関連の官僚及び職員に対して賄賂工作を行なっており、各種人事がブローカー侯爵の意を汲んだものとなっておりました。大臣就任に関しても内務大臣を希望しておりましたが、これは貴族関係の対応に影響力を持つ為となっております」

「ハゲタヌキがスーの件で噛みついておったが、他にも不適切な貴族関連の処理があった。全て余の権限で修正したが、頭の痛いものだ。大臣を決定する会議にも、奴は一枚噛んでいる可能性が高いな」


 陛下としては、このタイミングでブローカー侯爵一派の影響力を排除したいのだろう。

 まあ、本丸のブローカー侯爵を捕まえないとならないけどね。


「ブローカー侯爵の屋敷は厳重に包囲しております。この後、一個大隊が屋敷に突入する予定です」

「問題はその戦力で事足りるかだな。ここは、ここ一年で一番闇組織と戦った人物に意見を聞こう。シュンよ、どうだと思うか?」


 え、えーっと、一斉に僕に視線が向いたのですが。

 これは、何か答えないといけないパターンですね。


「闇組織は、魔法使いを多く抱えていました。その為に、魔法戦が推測されます。ゴブリンやオークなどを召喚する事もありますので、召喚されたものへの対応も必要です。爆発型の魔導具を使用する可能性もあります。また人質をとる事もあり、無関係の屋敷の侍従などが危険に晒される可能性もあります。ブローカー侯爵を捕まえる本隊は、少数精鋭が良いかと思います。人質を取られるのを避けるために無関係の侍従などを庭に避難させるのと、万が一の召喚対策の人員も必要です。念の為に、王都内でテロが起きないように対策も必要です」


 視線が集中する中での説明は、胃がとっても痛くなるよ。

 周りの反応など気にする余裕も無いです。

 とりあえず自分が感じた事はこのくらいです。

 念の為にスーとシロとアオに視線を送ったけど、大丈夫と頷いてくれました。


「うむ、的確な指摘だな。軍務大臣、何か意見はあるか?」

「いえ、特に無いかと。テロ対策は厚めにした方が良いかと」

「そうだな、市民が巻き込まれるのは避けないとならない」


 あの、もう少し意見を付け加えてくれても良いのですが。

 陛下も、満足そうに頷かないで下さいよ。


「しかしながらブローカー侯爵を捕縛したいという者が多くいるので、軍側は人員を選別しないとならない。腕っぷしの関係で、軍務大臣と騎士団長は確定だ。後は、シュンとシロも前線だな。スーはバックアップ部隊に配置する」

「「「畏まりました」」」


 うん、この話を振られた時点で僕は前線になるって思ったよ。

 スーなら回復魔法も使えるし魔法障壁も強いから、保護をした人の対応にうってつけですね。

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