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散歩の四十一話 事故後の様子

「あの事故の事は俺らも知っているぜ。絶対にあの二人の関係者が絡んでいると思ったぞ」

「そういう事だ。あの二人を知っている者とすれば、あいつらに関わるのがどれだけ危険か分かっている。こっちは心配するな、自分達の方が危険なのだから先ずは自分の身を心配しろ」


 翌日、昨日あった事や辺境伯様やギルドマスターと話をした事を、宿のメンバーに話しておいた。

 勿論、事前に話してOKと言われている内容だけだ。

 しかし、全員昨日の事故はあの二人と何か関係があると睨んでいたらしく、逆に僕達の心配をされた程だった。

 巡り合わせだけど、良い人たちと一緒に仕事が出来ているのが結構嬉しかったりする。


 さて、今日は元々予定していたとある商店の清掃兼棚卸し。

 皆でお店に行くと、どこかで見た顔が。

 

「あ、昨日馬車に乗っていた人だ!」

「おお、猫耳の嬢ちゃんか。金髪の嬢ちゃんも世話になったな」


 昨日馬車に乗っていて怪我した、明るいおじさんが出迎えてくれた。

 見た感じ怪我は無事に治っていて、僕達に軽い感じで手を上げていた。


「お加減は大丈夫ですか?」

「全く問題ない。むしろ腰痛や肩こりも治って、絶好調だよ。ガハハ」


 スーはおじさんの事を心配して容態を聞いていたが、昨日スーが治療した際に他の怪我も治ったのか、おじさんの機嫌はかなり良かった。


 時間も時間なので、直ぐに仕事を開始する。

 と言っても人数もいるし、掃除も慣れてきたので、一気に作業を進めていく。


「おお、ここにいたか」

「昨日は助かったよ。これを持っていってくれ」


 お昼過ぎになると、僕達が今日ここで作業をしているのを聞きつけてか、昨日馬車から救出した人が何人かやってきた。

 特に治療で大活躍だったスーに対して、色々とお土産をもってきていた。


「貰ってしまっていいのですか?」

「勿論だ。こうして五体満足で動けるのも、嬢ちゃんのお陰だから、これはほんの感謝の気持ちだ」

「普通に治療したら、とんでもない高額な治療費を請求されるからな。無料で治して貰って、逆にこっちが申し訳ないよ」


 そっか。幾ら緊急事態とはいえ、普通は高額な治療費を払わないといけないよな。

 しかも骨折ですまない可能性もあったから、お礼を貰うくらいなら安いもんだ。


「猫耳の嬢ちゃんにもお菓子を持ってきたぞ」

「猫耳の嬢ちゃんも、昨日は大活躍だったな」

「わーい」


 シロも一人で馬車を持ち上げる活躍をしていたので、周りの人からも顔を覚えられていた。

 そりゃ、小さな猫耳少女が大人が複数でないと持ち上げられない重さの馬車を一人で持ち上げたからな。

 勿論、シロが人から好かれる明るい性格ってのも大きいような気がする。


 こうして、商店の片付けもしつつ、色々な物を貰ってしまった。

 ここは昨日頑張った正当な報酬だと思っておこう。

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