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散歩の四百四話 侯爵様との面会

 全ての襲撃者が護送された所で、僕達は改めて侯爵家の屋敷に入った。

 直ぐに応接室に通されて、出された紅茶を一口飲んだ。

 あー、疲れた体に染み渡るよ。


「はあ、やっと落ち着いた。流石に、気を張りっぱなしは疲れた……」

「不審者がこちらを覗いている間は、ずっと集中しっぱなしでしたね」


 僕だけでなくスーもだいぶ疲れていて、普段はこういう場ではあまり口にしないお菓子も食べていた。

 トーリー様は、遠慮なく紅茶とお菓子を食べて飲んでいた。


「休憩できる時は、しっかりと休憩する。軍人だろうと貴族だろうと冒険者だろうと、そこは一緒だ」


 確かにトーリー様の言う事は一理あるけど、それを侯爵家の応接室でやる必要はないのでは?


 こんこん。


「失礼します。お館様がお見えになります」


 おっと、侍従が侯爵様が来ると告げたので、僕達は急いでソファーから立ち上がります。


「いやいや、待たせてすまんな。それに、我が領の危機を救ってくれて感謝する。さあ、座ってくれ」


 部屋の中に入ってきたのは、緑色の短髪のかなり大柄な男性だった。

 一瞬、大柄な獣人かと錯覚してしまった。


「どうやら、汚いネズミが街の中に紛れ込んでいたみたいだな」

「木を隠すなら森と言いますが、まさに雑踏の中に襲撃者を隠していたのでしょう」

「そして闇組織に刃向かった者を殺害し、闇組織の脅威を国内に知らしめる、と。恐怖で支配する形は、まさにテロリストの手段といえよう」


 侯爵様が今回の襲撃に関して自分の意見を述べていたが、僕もほぼ同じ考えだった。

 もしかしたら護送中の幹部を解放する事も考えているかもしれないが、あの程度の実力だったらアオ一匹で十分に撃退出来る。

 西の辺境伯領に限らず各地で僕達は闇組織関連の人物と戦っていたのだから、実力くらいは把握していそうな気がすると思うけどなあ。


「とにかく、道中は気をつけることだ。王都での闇組織と人神教の捜索で、反抗した者もおったそうだ。我々も街道の巡回を増やして警戒をしているが、全てを防ぐことはできない」


 侯爵様は、既に各方面で手を打ってくれていた。

 あのアホな子爵に、侯爵様の爪の垢でも飲ませてやりたいぞ。


「それにしても、スーは昔に比べて美しく強くなったな。夢中になると、見た目以上に活発になる所は相変わらずみたいだがな」

「侯爵様、その、ありがとうございます……」


 そして侯爵様はスーの事を知っているみたいで、先程の戦いを聞いて誉めつつ少しからかっていた。

 確かに、スーは見た目は大人しそうなのに行動を決めたら積極的なんだよね。

 肝心のスーは、からかわれて少し顔を赤くしながら俯いちゃったけどね。。

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