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散歩の三百九十五話 王都に向けて出発です

 遂に王都に向かう朝になりました。

 朝早く出発して、防壁の門で軍と合流します。

 僕達は、屋敷の玄関に集まっていました。


「シュン、色々と助かった。本当にありがとう」

「あれだけの大事件があったにも関わらず、被害が最小限で済んだのもシュン達のおかげよ」


 辺境伯様とエミリア様が、僕に握手をしながら話しかけてきました。

 滞在期間は短かったけど、とにかく濃密な時間だったもんなあ。

 そして、エミリア様が一枚の手紙を僕に渡してきました。


「王都に着いたら、お父様に渡してね」

「それって、強制的に陛下と会わないといけないフラグが立ったのと同じですけど……」

「気にしないで。お父様は気さくな性格だから、きっとシュンの事も気にいると思うわ」


 謁見やら何だか言われているのに、更に手紙を渡すとは……

 これはちょっと気が重くなったなあ。

 ちょっと苦笑していると、マリアさんとトリアさんが話しかけてきました。


「シュン様、娘に気を使って頂きありがとうございました。あんなに楽しそうなトリアは、久々に見た気がします。今後とも宜しくお願いしますわ」

「シュン様、私もっと色々と勉強して早く一人前になれる様に頑張ります。シュン様も、お体に気をつけて下さい」


 僕は、マリアさんとトリアさんとも握手をしました。

 トリアさんとは間違いなく数年後には再会すると思うし、僕も色々と頑張らないと。


「済まんな、報奨金しか出せなくて」

「いやいや、馬車と馬を買っても物凄くお金が余っていますから」

「ははは、今やシュンは間違いなく冒険者でもトップクラスの金持ちだからな」


 先代様と握手もしたけど、確かにお金がたんまりとあるからどう使って良いか分からないんだよね。

 旅をしていると、お金があまり必要無いんだよなあ。

 うーん、どんな事にお金を使うか考えないと。


「「「「くすん、くすん」」」」


 そして、シロ達はケントちゃんとの別れがさみしくて、抱き合って泣いていました。

 ケントちゃんも、皆いなくなっちゃうからとっても悲しいみたいです。


「ほら、皆で買った物を渡してあげて」

「「「うん……」」」


 スーに促されて、シロ達はマジックバッグからある物を取り出しました。

 それは、少し大きめのぬいぐるみと人形でした。


「わあ、ありがとう!」

「赤ちゃんと一緒に遊んでね」

「うん!」


 ぬいぐるみと人形を貰ったケントちゃんは、たちまちとっても良い笑顔になりました。

 シロ達がケントちゃんへのプレゼントとして、一生懸命選んだ物です。

 ケントちゃんが大喜びしてくれて、シロ達も笑顔に変わりました。

 さて、そろそろ出発の時間です。

 僕達は、馬車に乗り込みました。

 御者は、僕が務めます。


「では、行ってきます」

「うむ、気をつけてな」

「「「「ばいばーい」」」」


 シロ達とケントちゃんは、お互いに姿が見えなくなるまで手を振っていました。

 西の辺境伯領では新たな脅威の存在も明らかになったし、王都への道中気を引き締めないとね。

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