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散歩の三百八十四話 実はもうやる事がない?

 僕達が王都に向けて出発するには、まだまだ時間があります。

 なので、今日も教会と孤児院の解体現場に行っています。


「これで最後だ」

「「「せーの!」」」


 バリバリバリ!


 遂に孤児院の解体も終わり、孤児院の建築の後は基礎を残してすっかり無くなりました。

 意外と、広々とした空間が広がっていますね。


「残っている基礎も、全て壊すんですよね?」

「おうよ。湿気の多さが木の腐敗に繋がったから、少し床高にして通気性を良くするぞ」

「「「壊すの手伝うよ!」」」


 棟梁の話を聞いたシロ達が、魔法袋からハンマーを取り出していた。

 シロ達は、いつの間にハンマーなんて買ったんだ?

 シロ達は僕の疑問に気づく事なく、冒険者と共に基礎をハンマーで壊し始めます。

 アオも大きなハンマーを振り下ろしているし、下手したら基礎の解体は今日一日で終わるかもしれないぞ。


 ギーコギーコ。


 一方で、教会では床板を張るための木枠を作っています。

 若い大工が職人に指示を出していて、結構工事が進んでいました。

 木枠を作ったら、いよいよ床板を打ち込む作業が始まりますね。


「お母様、このくらいで良いでしょうか?」

「煮込むと味が濃くなるから、このくらいにしましょう」


 昼食の準備は、女性陣に加えてケーシーさんとテルマさんの母親も加わっています。

 ケーシーさんとテルマさんの母親は教会での炊き出しを経験しているので、娘に色々とアドバイスをしています。

 ケーシーさんの母親の言う通り、確かにスープは最初に濃い味で作ると大失敗するんだよね。


「で、僕は現場監督で良いのでしょうか?」

「良いに決まっているぞ。誰かしらが全体を見回さないと、何かあった時に指示が出せないぞ」


 僕はというと、棟梁と一緒に現場を見てまわっています。

 収穫祭の現場設営もいつの間にか現場責任者になっていたし、小さな女神様の木像も十分な数ができたからもう作る必要がないんだよなあ。

 怪我人が出てもササッと治しちゃうし、アオやホルンが近くにいたら僕よりも先に治療しちゃいます。

 現場で偉そうにしているだけで、本当にやる事がないんだよなあ。


「前にも言ったがあんちゃん達は半月もしないで辺境伯領を出るんだから、俺等はあんちゃん達に頼らないで工事を行わないとならない。とはいえ、解体も終わったし建築に入るところからは俺達プロの出番だからな」


 棟梁もいるし、何よりも孤児院を卒院した人達が暇をみつけて手伝ってくれています。

 既に工事に必要な寄付金も集まっていて、余ったお金は孤児院の運営資金に充てられます。

 しっかりとした道筋が出来ているので、僕も一安心しています。

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