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散歩の三百六十四話 軍の責任者との話し合い

 そして、辺境伯領に部隊が到着し、部隊長が辺境伯家にやってきました。

 僕達は応接室に移動して、部隊長を出迎えます。


 コンコン。


「失礼します。部隊長様がお見えになりました」

「分かった。入ってくれ」


 トリアさんが僕達に部隊長さんの到着を告げ、辺境伯様が入室を許可しました。

 僕達は一斉に立ち上がり、部隊長さんの入室を待ちます。


 かちゃ。


「失礼する。今回部隊長を務めていますトーリーで御座います」

「遠い所からご苦労だった。かけてくれ」

「失礼します」


 おお、執務室に入ったのはまさに軍人って感じの人だぞ。

 スキンヘッドで背が高く、鎧を着ていても分かる位に筋肉質だ。

 とても礼儀正しいし、今まで出会ってきた変な貴族とは比べ物にならないぞ。

 すると、ケーシーさんとテルマさんが部隊長さんに頭を下げました。


「部隊長様、この度はナスカ子爵家の者が大変ご迷惑をおかけし申し訳ありません」

「フランツ子爵家に付きましても、ご迷惑をおかけし大変申し訳ありません」

「ひとまず謝罪は受け取ろう。我々は任務で西の辺境伯領に来ているので、ご心配なく。それに詳しい事は、王都に護送してからになるだろう」


 部隊長さんも、ケーシーさんとテルマさんの謝罪を受け取って頷いていました。

 まあ、今回はあまりにも事件規模が大きいし、暫く時間が掛かりそうだね。


「王都でも大規模な捜索をしている、と言う事ですね」

「流石はエミリア様で御座います。辺境伯領で捕縛したナスカ子爵家の者並びにフランツ子爵家の者が全面自供をし、自供より浮かび上がった人神教並びにレッドスコーピオンに関わった者の捜索が行われています」

「「「えっ?」」」


 ケーシーさんとテルマさんだけでなく、スーも不思議な顔をしていました。

 実は、この話もエミリア様から聞いていたんだよね。


「も、もしかしてシュンさんはこの話を知っていたのですか?」

「まあね。漏らせない内容だったから黙っていたんだけど、ケーシーさんとテルマさんのお兄さんは妹に迷惑を掛けたのを物凄く悔いていたそうだよ。闇組織としては下っ端で大した事もしていないのもあって、今回の自供を含めて自分の罪を素直に認めたそうだ」

「そうですか……」


 幾らなんでも、スーにも漏らせない内容ですよ。

 とはいえ、仲間が爆弾騒ぎに関与していたのを知っていたのは事実なので、ケーシーさんとテルマさんのお兄さんの罪は裁判を待つ事になりました。


「取り敢えず、我々は暫くの間改めて捕縛者の聴取を続ける。昨日新たに捕縛した者もいるそうなのでな。ケーシーとテルマについては、領都にいる分には行動の制限はない。辺境伯様の屋敷に滞在して貰った方が、こちらとしても大変助かる」

「「ご配慮、ありがとうございます」」


 ケーシーさんとテルマさんの行動制限については、僕もこんなものじゃないかなと思っています。

 とはいえ、次の部隊がやってくるまで何をしていれば良いのだろうか?


 ちょんちょん。


「うん? シロ、どうした?」

「そういえば、お祭りが終わったら教会にある女神様の像を直すんじゃなかったっけ?」

「あっ、そうだ。すっかり忘れていたよ」


 広場爆発事件の前の話だったし、すっかり忘れていたよ。

 でも、良い時間つぶしになりそうだ。

 エミリア様の方を見ると、頷いていました。


「じゃあ、暫くは教会の女神像の対応ね」

「「「はーい」」」

「じゃあ、教会の関係者に伝えておくわ。確か防壁の門にの近くにある教会だったわ」


 僕が当面の方針を伝えると、シロ達が元気よく手を上げました。

 これなら僕達の行動も一目でわかるし、何かあっても直ぐ近くに守備隊がいるもんね。

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