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散歩の三百五十五話 身を挺して会場を守ったケーシーさんとテルマさん

 舞台上に投げ込まれたのは、どう見ても爆発型の魔導具です。


「アオ!」


 僕は咄嗟にアオに声をかけながら、爆発型の魔導具を魔法障壁を複数展開して囲みます。

 僕の魔法障壁の上から、更にアオも魔法障壁を重ねがけしました。

 直ぐに爆発すると、直感で感じました。


「「だめー!」」

「ケーシー、テルマ!」


 と、舞台袖からケーシーさんとテルマさんが飛び出してきて、何と爆発型の魔導具の上に覆いかぶさりました。

 スーの悲鳴が聞こえる中、僕は咄嗟にケーシーさんとテルマさんに魔法障壁をかけます。


 ズドーン、ズドーン!


 刹那、爆発型の魔導具が大爆発を起こして大きな音が響き渡りましたが、僕とアオの魔法障壁を打ち破るまではいかなかったみたいです。

 ぶっちゃけ、僕の魔法障壁だけでも爆発の威力を相殺出来たみたいです。


「「うう、げほげほ……」」

「ケーシー、テルマ、しっかりして!」


 しかし、爆発の衝撃までは完全に相殺できなかったみたいで、ケーシーさんとテルマさんは苦しそうにうめき声をあげていました。

 直ぐにスーが二人を治療するけど、ダメージは大きそうだぞ。


「ケーシーお姉ちゃん、テルマお姉ちゃん、大丈夫?」

「なんと無茶な事をする。結婚式を成功させたい気持ちは分かるが、無理はするものではないぞ」


 治療を終えたケーシーさんとテルマさんは、シロと辺境伯様にお姫様抱っこをされながら舞台後方に運ばれました。

 そして、トリアさんとホルンが二人に回復魔法をかけます。

 顔色は良くなったけど、辺境伯様の言う通り二人は本当に無茶をしたよ。


「ちっ。思い通りに動かない、使いものにならない貴族家だね。兄はたぶらかしても駄目だし、妹も爆発を防ぐとはね」

「ヘラ!」


 群衆が二つに分かれると、露出のミニドレスを着たキツめの美人が、ウェーブのかかった赤髪をかきあげながら悔しそうな表情をしていました。

 女性の周囲には、護衛と思われる四人のスーツを着たガタイの良い男性がついています。

 しかし、エミリア様があの女性の名前を呼んでいたけど、どうも面識があるみたいだ。


「エミリア様、あの女性を知っているのですか?」

「アイツはヘラよ。シュンには、カスアク伯爵家の令嬢だと言った方が良いかしら」


 カスアク伯爵家って、辺境伯領と人神教関係でまさに大騒ぎをしている所じゃないですか。

 しかも、どう考えてもエミリア様と因縁がありそうだよ。

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