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散歩の三百四十一話 大量の供物が屋台へ

「よーし、行くぞー!」

「「「おー!」」」


 パレードの準備が出来たので、街の人は台車などを引きながら街に繰り出して行きました。

 それとともに、沿道からも多くの歓声が上がっています。

 さて、僕はというと、別の事に意識が向いていました。


「よし、どんどんと運ぶぞ」

「こいつも運ぶぞ」


 祭壇に供えられていた多くの野菜が、屋台の中に運ばれて行きます。

 供物になっていた野菜って、かなりの量があったはず。

 何だか、とっても嫌な予感がしてきたぞ。

 ここは、一番確実に答えてくれそうな人に確認をしよう。


「エミリア様、供物の野菜が屋台に運ばれていますが……」

「ああ、あれね。神への報告も終わったし、縁起物だから皆で分け合って食べようって事になっているのよ」


 うん、何となく理由は分かったけど、まだ聞きたい回答の半分しか答えて貰っていません。

 供物を皆で分け合おうってのは僕にも分かるし、そこは問題じゃない。

 問題なのは、何故屋台に運ばれているかです。


「それは、シュンが調理をするからに決まっているからよ」


 エミリア様は、当たり前と言わんばかりの笑顔で僕を見ていました。

 僕は思わず真顔で、エミリア様と屋台を何回も見てしまいました。


「え、エミリア様、マジですか?」

「大マジよ」


 エミリア様は、相変わらずの笑顔です。

 そして、この人が更に追い打ちをかけました。


「皆の者、あの雷撃の料理人が作った料理が食べられるぞ!」

「「「うおー!」」」


 あろう事か、辺境伯様が集まった街の人を炊き立ててしまったのです。

 そして、何故か僕にドヤ顔を見せつける辺境伯様。

 サムズアップのおまけ付きです。

 嗚呼、許されるのなら僕は辺境伯様の顔面を思いっきりぶん殴りたいです。

 とはいえ、既に街の人が屋台の前に並び始めています。

 この状況で、料理しませんとは言えないだろうなあ。


「シュンさん。私達も暫く時間取れますので」

「明日に向けての衣装の準備も終わっています」

「夕方にもう一度集まりますので、それまではお手伝いします」


 スー達のありがたい申し出も受ける事にして、僕は屋台の中に入って行きました。

 アオとトリアさんも焼くのを手伝ってくれるので、スー達にはひたすらひたすら野菜を切ってもらう事にしました。

 くそー、今朝の屋台の準備の際に、妙に野菜が少ないなあと思ったんだよな。

 よくよく考えれば、こうなる可能性は十分に読めたぞ。

 僕はちょっと落ち込みながらも、お好み焼きの準備を始めました。

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